2012 Fiscal Year Annual Research Report
複雑性悲嘆の認知行動療法の効果の検証およびインターネット治療プログラムの開発
Project/Area Number |
22330197
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
中島 聡美 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・成人精神保健研究部, 室長 (20285753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 明美 国際医療福祉大学大学院, 医療福祉学研究科, 准教授 (00425696)
小西 聖子 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (30251557)
金 吉晴 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・成人精神保健研究部, 部長 (60225117)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 複雑性悲嘆 / 認知行動療法 / 筆記療法 / インターネット / 遺族ケア |
Research Abstract |
平成24年度では以下の2つの研究を実施した。 1.複雑性悲嘆の認知行動療法(Shear et al.,2005)の適応性および有効性の検証 重要な他者との死別を経験した成人で複雑性悲嘆を主訴とする者を対象に対照群をおかない単群での治療効果研究を3施設 (国立精神・神経医療研究センター病院、武蔵野大学心理臨床センター国際医療福祉大学大学院青山心理相談室)で実施した。1回90分~120分のセッションを16回施行し、複雑性悲嘆の重症度と診断の喪失、反応者の割合を治療前、治療後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後に評価した。平成24年度終了時までに8例の治療登録があり、6例が治療終了した。治療を終了した6例は治療前と比較し複雑性悲嘆症状の軽減が見られた。 2. インターネットを用いた複雑性悲嘆の認知行動療法(Wagner et al.,2006) 医療受診の困難な遺族や遠隔地在住の遺族には、対面式の治療だけでなく、より多くの遺族が利用できるその他の治療の必要である。Wagnerの開発したインターネットを媒介とした認知行動療法を用いた筆記課題を行う複雑性悲嘆治療プログラムの効果検証を行った。4名の一般成人遺族を対象に全10回を電子メールを用い実施した。これらはプログラム実施への予備研究として施行したため、参加時の複雑性悲嘆の有無を適格基準としなかった。結果では、筆記による有害事象は見られず、故人に対する心情の整理に有効であったとの感想を得た。次に、被験者の募集のため、インターネットでの筆記療法の広報ウェブサイトを作成し、公開した。2例の複雑性悲嘆を有する対象者において全10回の筆記を進行し、複雑性悲嘆を有する日本人への適応を探索するオープントライアルによる臨床研究を行った。今後は、症例数を増やしこのプログラムの複雑性悲嘆の軽減に対する効果を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)