2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22330198
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩入 諭 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (70226091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗木 一郎 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (80282838)
松宮 一道 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (90395103)
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Keywords | 運動視 / 運動残効 / 運動検出器 / 視覚 / 心理物理 / 視覚経路 / fMRI / 脳科学 |
Research Abstract |
これまでに代表者らの見いだした静止運動残効の高周波優位,フリッカー運動残効の低周波優位という現象を利用して,遅い運動刺激の処理メカニズムと速い運動の処理メカニズムを分離することに成功した.またその手法をそれぞれの運動検出器の特性の相違を検討し,両者が質的に異なる処理系によることを強く示唆する結論を得た.本年度は、それらの事実を基礎として、1)奥行運動の知覚に対する両眼間速度差の関与を検討し、その空間周波数特性から遅い運動検出器の関与の可能性を示す研究をまとめ、2)運動検出器の時空間特性を測定する心理物理実験手法の開発と3)脳波,fMRIによる運動検出特性評価の予備実験を行った。1)は、2次元運動に速い運動検出器と遅い運動検出器が関与していることと対照的であり、速度情報の一部が奥行運動に利用されていることを示唆する。 2)は、遅い運動検出器と静止した画像特徴を検出するパターン検出器の区別するマスキング法を用いた予法について検討した。様々な時空間周波数の妨書刺激による妨害効果の大きさに基づき、パターン検出器と遅い運動検出器の時空間周波数特性を計測した。予備的な結果によると、遅い運動検出器は5Hz付近の時間周波数に感度を持つのに対して、パターン検出器は5Hz以下に広く感度を示した。また空間周波数特性においても両者は異なることから、遅い運動検出器がパターン検出器とは異なることを示し、遅い運動検出と静止刺激検出が異なるメカニズムであることになる。今後、静止刺激検出と遅い運動検出器の違いを明らかにして、それぞれを分離してそれらの特性を検討することができる。 3)では、脳波計測による脳活動計については予備的な実験を行い、速度に依存したと考えられている脳波成分の確認をした。運動刺激に対する脳波から300ミリ秒程度の遅れをもって応答が生じる成分を解析した結果、速度に対して応答が変化することを確認した。また,fMRIによる運動刺激に対する活動領野における運動残効効果の計測実験を行った。運動刺激の速度によらず運動野として知られるMT野における活動を確認した。しかし,運動順応効果による応答の低下,刺激速度による選択的感度変化などを明らかにするためには,十分な結果を得ることはできず,今後これらの点を中心に検討する予定である。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Measuring attention using flash-lag effect. Vol.10 (19) 10, pp.1-132010
Author(s)
Shioiri, S., Yamamoto, K., Oshida, H., Matsubara, K., Yaguchi, H.
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Journal Title
Journal of Vision
Volume: 10(19)10
Pages: 1-13
Peer Reviewed
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