2012 Fiscal Year Annual Research Report
内発的、学習獲得的、生理的な報酬の機能と作用機序に関する生理心理学的研究
Project/Area Number |
22330205
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Research Institution | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
Principal Investigator |
渡辺 正孝 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 特任研究員 (50092383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 亨 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 副参事研究員 (20195746)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生理的報酬 / 学習獲得的報酬 / 内発的報酬 / 線条体 / 前頭連合野 / ニューロン活動 / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
学習を強化する報酬には、生理的、学習獲得的、内発的なものがある。本研究は、報酬に関係した活動がよく見られる線条体と前頭連合野に焦点をあて、これらの脳部位は3種類の報酬にどのように応じるのかをサルとヒトにおいて詳しく調べ、これらの異なった種類の報酬の機能的相違を脳メカニズムのレベルで解明しようとするものである。 (1)内発的報酬の脳メカニズムに関するfMRI研究がここ1-2年に多数現れたことから、こうした研究を詳しく分析し、文献的研究を行った。 (2)内発的動機づけのメカニズムをニューロンレベルで調べる研究が現れたことから、内発的動機づけを直接にではなく、餌や水のような生理的報酬の価値が内発的動機づけにより変容する側面に着目した実験をした。サルに競争的ゲームを行わせ、競争という生理的あるいは学習獲得的ではない操作が報酬の価値を高める現象について、行動レベル(反応時間など)とニューロンレベルで検討した。 (3)報酬行動に対する薬物の影響を調べるため、ADHDの治療薬にも用いられるメチルフェニデートが報酬応答と、その報酬を得ようとする行動に関係して、脳内神経伝達物質にどのような変化をもたらすのかをサルにおけるマイクロダイアリシス実験によって調べた。その結果、この薬物投与により前頭連合野のドーパミンが増加すること、適量の投与は報酬獲得行動を促進することを示した。 (4)異なった価値をもつ報酬が、生理的か学習獲得的かにより脳内で異なった内容の報酬応答を促す可能性に関し、報酬の有無、報酬が学習行動によるのか、受動的に与えられるものなのか、という違いに着目してサルにおける神経伝達物質の変化を調べるマイクロダイアリシス研究を行い、報酬の価値、報酬が学習行動によるのか受動的に与えられるのかにより前頭連合野のドーパミン放出が異なることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)