2010 Fiscal Year Annual Research Report
移行支援実践におけるコミュニティ・エンパワメントモデルの開発-若者支援を中心に
Project/Area Number |
22330208
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮崎 隆志 北海道大学, 大学院・教育学研究院, 教授 (10190761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 敏郎 北海道大学, 大学院・教育学研究院, 准教授 (40250401)
石黒 広昭 立教大学, 文学部, 教授 (00232281)
大高 研道 聖学院大学, 政治経済学部, 准教授 (00364323)
藤井 敦史 立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (60292190)
向谷地 生良 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (00364266)
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Keywords | コミュニティ・エンパワメント / 差異のコミュニティ / 生成コミュニティ / 制度化コミュニティ / 意味の交渉 / 対話 / 協働 / 多様性 |
Research Abstract |
今年度は、コミュニティ・エンパワメント・モデルを構築するための基本的なフレームを明らかにすることが課題であった。国内では、第一に、釧路市における失業者支援の取り組み(地域生活支援ネットワークサロンによる「まじくる」)・和歌山市における障がい者等の自立支援実践(麦の郷)、札幌市の大通高校を対象に、移行支援実践におけるコミュニティ形成の論理と意義を検討した。第二に、夜間中学における基礎教育と異文化間教育の課題について、カリフォルニア州立大学サンディエゴ校の実践との比較研究を進め(2010年12月に立教大学で国際シンポジウムを開催)、媒介的なコミュニティの意義について確認した。国際共同研究としては、北アイルランドにおける早期離学者の支援実践を対象に、支援過程で構築されるコミュニティの質の差異が社会的・職業的自立に与える影響について検討し、またトロント市においては地域に基盤をおいた外国人向け基礎教育・職業教育の展開過程について検討した。 現段階では、移行支援にあたって有効性を発揮するコミュニティを、アイデンティティの複数性と参加者の多様性を前提とする「差異のコミュニティ」として特徴づけることができると我々は考えている。それは、参加者が属する複数のコミュニティに起因する多様な文脈がそのまま持ち込まれ、それらが交差する中で展開する「意味の交渉」によって生ずる「生成コミュニティ」という側面と、交差の基軸を与える制度との関わりで生ずる「制度化コミュニティ」の二側面からなると考えてよいであろう。この両側面の間には対立が生じがちであり、その統一のありかたによって、「差異のコミュニティ」の実際のありかたは決まるように思われる。 したがって、生成コミュニティの側面が主導性を発揮した統一形態を構築していくことがコミュニティ・エンパワメントの基本課題となるが、この点の実証は次年度以後の課題である。
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Research Products
(5 results)