2014 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジアの基礎教育における中途退学の要因に関する実証的研究
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22330230
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平川 幸子 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (80314780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 博敏 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10127730)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中途退学 / 小学校 / 生存分析 / カンボジア / EFA |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は、カンボジアの小学校で多くの児童が中退していることから、退学の原因を明らかにするために行われた。これまでの研究は、多くが中退者とその親に理由を尋ねる方法をとっており、貧困と児童労働が退学の原因であるとしてきた。この研究では、客観的要因を明らかにするため、あるコーホートを対象に事前にデータを取り、その後退学したかを追跡する生存分析を用いた。また、3つの省の30の学校を調査対象とすることで、学校の要因が退学に影響を及ぼしているかを明らかにした。小学校1年生からのコーホートと4年生からのコーホートを3年間追跡し、一年に一度データ収集を行った。分析には、HLMを用いたロジスティック重回帰分析であるBernoylli Modelを用いた。 学校レベルの要因の分析結果では、小学校1年生からのコーホートでは学校の影響がみられなかったが、4年生からのコーホートでは学校要因がVarianceの7%を占めることが分かった。教員の授業欠席が唯一の有意な要因であった。教員が過去3ヶ月に一日多く欠席するごとに、児童の退学のoddsは14%高まるとされた。 児童のレベルでは、2つのコーホートで、学級内の成績が低く留年する児童が退学するoddsが高かった。同時に行ったテストでは、小学校4年生でも基礎的レベルの識字能力を有する児童が約4割に留まることが示され、児童間の学力のばらつきが大きいことがわかったが、退学に当たっては学級内のテストで図られ、学級内の順位として示された数値が重要であることが明らかになった。1年生からのコーホートでは、女子の退学oddsが有意に少ないことが示された。イスラム教徒のチャム人は、主要民族であるクメール人に比べて、両方のコーホートで退学oddsが有意に低かった。これまでの生存分析を用いた研究と同様小学校貧困や労働時間は、退学に有意な影響を及ぼしていなかった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)