2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22330231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小方 直幸 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20314776)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大学教育 / 組織的実践 |
Research Abstract |
大学教育のガバナンスを考察する際にまず重要となるのは、実質的に教員の教育行動を何が支え、何がその変革の背景となっているかという点の析出である。なぜならば、実際の大学教育の実践が、トップダウン、ボトムアップ、あるいは両者の協働という多様な構造を取り得るからであり、必ずしも確定したガバナンスの構造を想定できるわけではないからである。そのため、教育の実践者である教員の行動や価値観をまずは了解するための基礎的な研究を行った。 1年目は、特に米国の先行研究を拠り所としながら、大学教員のプログラムを基軸とした組織的な教育の実践=教員のコラボレーションを可能にする背景や障壁は何かについて、概念的な整理を行った。2年目は、まず既存の大学教員調査を用いて、大学教員の授業への構えには「自営モデル」と「組織モデル」を想定し、教育課程の組織的編成やそれを支える教員間の交流を重視する後者よりも、研究室やゼミを中心とした少人数での学生-教員間の交流を重視する前者が多いことを明らかにした後、そうした日本的な大学教員の教育行動を明らかにするため、工学系及び社会科学系の教員を対象とした、教員調査を実施した。 これらを踏まえて3年目は、まず2年目に実施した教員調査の分析を行った。日本の大学教員は授業時間数が多いといわれているが、授業時間数が多くなるにつれて、1授業あたりの準備時間は減少し、個々の授業の質の改善に繋がっていないことや、学生の能力形成の観点からも、通常の授業よりも研究室・ゼミベースの教育が重視されていることを明らかにした。また、教育学部を事例にケース・スタディを行い、授業改革にとどまらない、入試や就職支援も含めた長期にわたる組織的な教育改革のメカニズムを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)