2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際的な学習状況を改善するための,論証学習支援システムの多言語化
Project/Area Number |
22330245
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松岡 樂 信州大学, 教育学部, 教授 (50135117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 樹夫 信州大学, 教育学部, 教授 (10261760)
杜 威 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (30240683)
宮川 健 上越教育大学, 学校教育学部, 准教授 (30375456)
宮崎 紀枝 佐久大学, 看護学部, 准教授 (50349172)
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Keywords | 論証 / 学習支援システム / 多言語 / 英語 / カリキュラム |
Research Abstract |
本研究では,論証の国際的な学習状況を改善するために,論証学習支援システムを国際的に利用可能なシステムとして多言語化することを目的とする。この目的の達成に向けて,平成23年度には,ア)学習用コンテンツの英語版の改善,イ)学習指導用テキストにおけるコンテンツの組み込み,ウ)双方向思考支援コンテンツの構想,エ)中国語版開発体制の確立を達成した。(詳細は以下の通りである。) ア)学習用コンテンツの英語版の改善 平成22年度に続き平成23年度にも英語圏(イギリス)の公立中学校において中学生による学習用コンテンツ(英語版)の試用を実施した。この試用状況に基づき,ユーザーである英語圏の生徒にとって使いやすくなるように,それぞれのコンテンツのインタフェース及び正誤の反応形式等を改善した。 イ)学習指導用テキストにおけるコンテンツの組み込み 中学校数学科における論証の授業で開発中のシステムが幅広く利用されるために,論証導入期のための学習指導用テキスト(pdf版)に本システムのコンテンツを組み込み,教師がインターネットを介し当該の授業で利用できるようにした。このテキストは英訳の予定である。 ウ)双方向思考支援型コンテンツの試作 現在開発中のシステムは回答の正誤を判定しその修正を促進するものであるが,論証を構成するプロセスを残すことができない。そこで,このプロセスを学習者が確認できるために,結論から前提へ/前提から結論への双方向の思考を支援するコンテンツを試作した。 エ)中国語版開発体制の確立 平成24年度の目的は本システムの中国語版作成である。そのために必要となる体制(中国のカリキュラムを専門とする研究者,中国の教育現場に詳しい翻訳者との連携)を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では平成23年度までに論証学習システムの英語版作成が目的とされていた。この目的は達成された上に,教育現場における本システムの利用促進のため,論証導入期学習指導用テキストにコンテンツを組み込み,インターネットを介して教師が利用できるようにできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年以降,中国語版の開発を中心に取り組むとともに,論証の構成プロセスに注目した双方向思考支援型のコンテンツの開発を進める。教育現場における本システムの利用促進のため,コンテンツが埋め込まれた論証導入期学習指導用テキスト(pdf版)を英語及び中国語に翻訳することについても検討していく。 なお,計画当初はフランス語版の開発を予定していたが,我が国とフランスにおけるカリキュラムの相違により合同幾何に基づく本システムの利用普及には無理があることが明らかとなったため,フランス語版の開発を進めないことにした。
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