2012 Fiscal Year Annual Research Report
学童期の障害児の言語能力査定と支援プログラムの作成
Project/Area Number |
22330259
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
高橋 登 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00188038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 利和 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20200826)
中村 知靖 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (30251614)
井坂 行男 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40314439)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ATLAN / 適応型言語能力検査 / 音韻意識 / 漢字の書取り / 聴覚障がい児 / 視覚障がい児 |
Research Abstract |
われわれはこれまで,インターネット上で動作する適応型言語能力検査(Adaptive Tests for Language Abilities: ATLAN)を開発してきた。同検査は,語彙,漢字,文法・談話,語用の4つの下位検査から成り立っている(Google等で「atlan」で検索可能)。本研究課題では,これに加え,(1)音韻検査と漢字の書取り検査を作成すること,および(2)ATLANを聴覚障がい,視覚障がいの児童・生徒に実施し,障がいごとの言語発達の特徴を明らかにすることが目的であった。 周知の通り,音韻意識は読み書きの習得の前提となることが広く知られており,また,読み書きの習得に困難を抱える子ども達の中には書くこと,とりわけ漢字の書字に困難を持つ子ども達が存在することが示唆されている。これらの点を踏まえ,音韻検査では押韻,置き換えなど8種類計66課題について幼稚園年少児~小学1年生326名に実施して困難度・識別力の推定を行い,また,漢字の書取りについては,小学2年生~中学3年生1306名に調査を実施し,245課題について困難度・識別力の推定を行ってきた。この結果を基に,試行的にATLANに音韻検査,書取り検査の実装を行った。 また(2)に関しては,視覚障がい児用に問題の読み上げも行われるバージョンを作成,実施した。聴覚障がい児に対しては,語彙,漢字,文法・談話,語用の4領域について,聴覚支援学校の小1~高3計189名に実施し,漢字検査の結果は定型発達児とほぼ同じであるが,語彙は1年から数年の遅れが見られること,文法・談話の成績はさらに深刻であり,高校生でも小学校低学年レベルであること,また,語用に関しては,知識的な側面の強い「慣用表現の理解」に比べ,場面に応じた柔軟なコミュニケーションを査定する「文脈情報の利用」の成績が振るわないことなどが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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