2010 Fiscal Year Annual Research Report
自閉性障害幼児の家庭訪問型発達支援モデルの構築と包括的評価
Project/Area Number |
22330262
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 淳一 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (60202389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皆川 泰代 慶應義塾大学, 社会学研究科, 准教授 (90521732)
大森 貴秀 慶應義塾大学, 文学部, 助教 (60276392)
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Keywords | 早期発達支援 / 自閉症児 / 共同注意 / 模倣 / 言語理解・表出 / コミュニケーション / セラビスト / 発達検査 |
Research Abstract |
1.支援プログラムの作成と評価項目の体系化:支援プログラムは、18か月の自閉症児に対応できるように、以下の6領域から構成した。ポジティブな社会的相互作用、共同注意、模倣、音声言語理解、音声言語表出、機能的コミュニケーション。発達評価のために以下の評価と検査を実施した。(1)自閉性障害傾向(M-GHAT)、(2)全体的発達(K式発達検査)、(3)社会的相互作用(「対人相互作用時系列評価法」)、(4)運動(「随意運動検査」)、(5)共同注意(「初期社会機能発達尺度(ESCS)」)、(6)模倣(「模倣評価尺度」)、(7)音声理解(「絵画語彙検査」)、(8)初期音声表出(「マッカーサー言語検査」)。 2.家庭訪問型早期発達支援の効果の分析:自閉性障害のある3歳児に対して、(1)注意(視覚的・聴覚的注意)、(2)共同注意(応答型共同注意)、(3)模倣(動作模倣)への早期支援を実施した。研究は5週間にわたり週3回、各1時間、参加児宅にて実施した。その結果、支援直後からターゲット行動の出現が増加し、維持された。また、直接支援の対象とはならなかった大人との社会相互的な関わり、課題従事時間の増大が顕著となった。本早期支援の方法は、発達の軸となるターゲット行動に対して、日常環境での資源を活用した支援によって、比較的短期間で効果を得ることができた。 3.支援実現のためのスタッフ指導の効果:開発した早期発達支援プログラムを、セラピストが家庭訪問支援として実施し、成果をあげるための条件の検討を行った。その結果、系統的なスタッフ指導によって、5時間という短時間の研修の事前と事後でセラピストの知識と支援技術、そして自己評価が向上することが明らかになった。特に、発話や模倣が未獲得であるような発達年齢の低い自閉症児に対しても、遊び場面における支援が、コミュニケーション行動を増加させることが示された。
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Research Products
(4 results)