2011 Fiscal Year Annual Research Report
自閉性障害幼児の家庭訪問型発達支援モデルの構築と包括的評価
Project/Area Number |
22330262
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 淳一 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (60202389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皆川 泰代 慶應義塾大学, 社会学研究科, 准教授 (90521732)
大森 貴秀 慶應義塾大学, 文学部, 助教 (60276392)
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Keywords | 発達支援 / 自閉症 / 言語 / 共同注意 / 模倣 / コミュニケーション / 発達検査 / 縦断研究 |
Research Abstract |
自閉症幼児について、運動、認知、コミュニケーション、言語の発達を促進するための早期発達支援プログラムを構築し、訓練を受けたセラピストが家庭訪問支援という形で実施し、どのような支援が最も効果的かを、行動・発達の包括的な指標を用いて客観的に明らかにした。自閉症児個人個人の障害や発達上のニーズに対応できる分岐型の支援プログラムを構築し、長期の支援によって保育園・幼稚園など日常場面での行動の変容過程も分析した。得られた研究成果を社会に還元するために、発達支援センターなどと連携し、効果が明らかになった支援プログラムの実践現場への適用可能性を検討した。 自閉症幼児に対して、以下の行動を支援の対象とし、その成立と日常場面の中での機能化を、定期的に評価した。(1)社会的相互作用(「対人相互作用時系列評価法」)、(2)知覚運動協応(廃達検査」、「随意運動検査」)、(3)共同注意(「初期社会機能発達尺度(ESCS)」)、(4)模倣(「模倣評価尺度」)、(5)音声理解(「音声言語理解検査」)(6)初期音声表出(暗声言語検査」)、(7)セラピストの「運用適切度」、(8)保護者の「親子関係」「ストレス尺度」「支援プログラム・運用方法評価」。家庭訪問セラピスト、保護者に対して、開発した支援プログラムの実施方法と評価方法を、講義、ビデオ視聴、ロールプレイを用いながら教示し、共通の支援基盤をつくった。セラピストとスーパーバイザーが家庭に訪問し、支援を実施した。その結果、セラピストと保護者の早期発達支援スキルの向上が見られ、それと同時に、自閉症児のコミュニケーション行動も増加した。支援は、特に、「注意」、「指示理解」などの行動の成立に大きな成果を示した。言語表出についても、視覚と聴覚に周時に注意を向けさせる支援方法が有効であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発したプログラムによって、家庭訪問セラピスト、保護者の発達支援スキルの向上に大きな成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究参加の自閉症児を増やすことによって、さらなる研究の推進をはかる。
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Research Products
(8 results)