2011 Fiscal Year Annual Research Report
音読・読解困難の認知・言語的要因を解明するための縦断研究
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22330265
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Research Institution | Osaka University of Arts |
Principal Investigator |
田中 裕美子 大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (60337433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 義信 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (20091944)
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Keywords | 学習困難 / 音読困難 / 読解困難 / 縦断研究 / 聴覚的理解 / 言語表出 |
Research Abstract |
読み(音読・読解)の認知・言語的要因である聴覚的理解および話しことばの理解・表出の発達を調査するために下記を実施した。 1.PCを用いた話しことばの発達を調べる課題(聴覚的理解・語彙理解・表出誘発課題)の作成 (1)理解語彙:PVT-Rから18題、(2)短文の聞き取り理解:OWLS (Oral and Written Language Scale)のListening Comprehension課題(受動態、時制、時系列、推量など)の応用10題、(3)熟語の読み:l,2年生で習った漢字を用いた熟語(12題)、(4)文意の聞き取り:CELF-4 (Clinical Evaluation of Language Foundation-4^<th> ed.)の応用2題、(5)文章の詳細な聞き取り:説明文・物語各1文、(6)復唱:田中ビネー、失語症検査の6題、(7)文の完成:OWLSのLanguage Expression課題の応用10題、(8)動画の口頭説明 2.4年生用読み書き課題(プリント)の作成 (1)文の完成:動詞、名詞、動詞活用など8題、(2)文意の読みとり2題、(3)文章の詳細な読みとり二説明文・物語文各1文、(4)言い回しの理解(10題)、(5)4コマ漫画説明(6)熟語を意味から選択(10題) 3.対象児への実施 北海道中標津2校(175名)、新潟県横越1校(102名)、栃木県那須塩原市3校(269名)の小学4年生546名(男287名、女259名)を対象児とし、クラス単位でPC課題、プリント課題の順で実施した。 4.読み書き困難や話しことばの遅れが認められる子どもについて (1)各校で課題実施前に昨年度の実施の際に成績不振であった子どもについて、今年度の状況を確認した。また、(2)今年度の成績を検討したところ学校ごとに10~15%の児童に読み・学習困難リスクが認められたため、各担任に成績不振児の読み書き・言語の問題を報告し、対応策について協議した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
縦断研究への協力校や追跡児童の数がやや減少しているが、500名以上の児童の参加協力を維持できているため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究協力校との連携を維持し、今後の調査研究を安定的に推進するため、追跡対象児に加え、他の学年の気になる児童についての評価や助言などのコンサルテーションを開始した。また、今年度は対象児が高学年(小学校5年生)になるため、これまでとは異なる話しことば、書きことば、認知課題を作成する計画をしており、新たな参考課題を米国から入手予定である。
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Research Products
(7 results)