2011 Fiscal Year Annual Research Report
数論的基本群の構造の解明にかかわる数論幾何の諸問題
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22340006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉川 安騎男 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00243105)
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Keywords | 代数曲線 / 被覆 / 基本群 / ガロア表現 / アーベル多様体 / 正標数 / 国際研究者交流 / 米国:仏国:英国:台湾 |
Research Abstract |
研究実施計画に記載の通り、海外研究協力者のCadoret氏の二度の来訪(7~8月及び1月)を実現、更に当初計画していなかったSaidi氏の二度の来訪(7月~8月及び12月~1月)も実現でき、代数曲線の被覆と基本群に関する数論幾何について、研究の目的を十分に果たすことができた。(これらの招へいは別経費によるものだが、Cadoret氏の1月来訪の際の福岡出張は、本補助金使用により実現した。)また、本補助金使用により、8月には英国Bristol大のAndrew Booker氏、1月~2月には台湾Academia SinicaのChia-Fu Yu氏を招へいし、整数論・数論幾何における情報収集・研究討論を集中的に進めることができ、本研究計画遂行のために有意義だった。また、本補助金使用により、研究代表者の二度の東京出張(5月及び3月)、和歌山出張(12月)をはじめ、何件かの国内出張を実現、研究計画遂行上意義ある研究交流、情報収集ができた。 具体的な研究実績としては、次のような成果をあげることができた。 1.Rasmussen氏とのアーベル多様体の有限性定理に関する共同研究では、「研究の目的」Aに関して、いくつかの技術的進歩を得、論文第一稿を完成した。 2.Cadoret氏との基本群の表現に関する共同研究では、「研究の目的」Bに関して、代数曲線の数論的基本群の1進表現についての普遍下界像存在問題において、従来取り扱えなかった、幾何的基本群の像(のリー環)が非自明なアーベル化を持つ場合に、リー環論的手法により一般的予想とその部分的解決を得た(論文準備中、第一稿は完成)。この他、論文2編が出版、論文2編が掲載確定となった。 3.Saidi氏との正標数に関する共同研究では、「研究の目的」Dに関しては、論文1編を出版、(いくつかの技術的進歩を得て)論文1編を完成・投稿、更に、論文1編を準備中である。また、「研究の目的」Eに関しては、いくつかの技術的な進歩を得てモジュライ依存性に関する望ましい結果の証明を確定することができ、現在論文準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3名の海外研究協力者との3つの共同研究を順調に進展させることができ、また、懸案だった成果の整理・発表(論文の執筆・投稿・出版)もはかどった。「研究の目的」A、D、Eに関していくつかの技術的進歩を得たのに加えて、「研究の目的」Bに関して、新しいリー環論的手法によって、代数曲線の数論的基本群の1進表現に関する新しい予想と結果を得ることができたのは、大きな収穫だった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画はおおむね順調に進展しており、基本的にはこのまま進めていけばよいと考えている。研究の目的に沿って新しい研究結果を得ることはもちろん、成果の整理・発表についても本年度に引き続き力を入れたい。本研究計画は3名の海外研究協力者との3つの共同研究を中核としているが、今後も3つの共同研究のバランスに留意するとともに、3つの共同研究のいずれも、もとより数論的基本群を中心的対象とするものであることに立ち返り、それらの相互作用をいかすという視点に立って、数論的基本群の構造の解明を更に進めていきたい。
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Research Products
(6 results)