2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤木 明 大阪大学, 理学研究科, 教授 (80027383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 竜司 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30252571)
小木曽 啓示 大阪大学, 理学研究科, 教授 (40224133)
榎 一郎 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (20146806)
臼井 三平 大阪大学, 理学研究科, 教授 (90117002)
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Keywords | ツイスター空間 / 自己双対多様体 / 双エルミート構造 / 非ケーラー曲面 |
Research Abstract |
Pontecorvo氏と共同で2010年に代表者が構成した双曲型井上曲面上の反自己双対双エルミート構造の普遍m次元族は,放物型井上曲面上の同様の族とともに,このようなものの中で現在まで唯一知られている非自明な族である.(ただしmは曲面の二次元ベッチ数.)しかしながら,われわれの方法は,複素射影平面m個の連結和上に構成されたJoyceの自己双対計量から出発し,対応するツイスター空間の複素解析的な退化族を用いるもので,得られたパラメータの自己双対計量の変形族としての意味づけが非常に興味のある非自明な問題として残されていた. 本年度の研究では,反自己双対エルミート計量を局所共形Kahler計量ととらえることから出発して,その不変量であるLee類に着目し,付随する局所共形Kahler類を導入することにより,これらのmoduli parameterの意味を予想し定式化した.さらに,この予想を解くために,とくにツイスター空間の退化に伴うLee類の振る舞いを完全に記述し,その「退化パラメータ」としての意味づけをあたえることに成功した.実際放物型井上曲面の場合については,Lee類が文字通り放物型曲面上の楕円曲線の退化を記述するパラメータとみなせることを示した.また,局所共形Kahler類については一般のコンパクト非Kahler曲面についてその一般論を展開し,これを我々の族に適用してパラメータが十分無限遠に近いところでは,moduli parameterに関する上記の予想を証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
双曲型井上曲面の反自己双対双エルミート構造に関するテーマのうちe)のモジュライパラメータを複素微分幾何学的に記述する問題,およびc)のJoyceによる反自己双対構造の関連に関し,順調な成果が上がっている.これを数編の論文にまとめつつあるが,この投稿は次年度に持ち越すことになった.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,研究目的に述べたテーマを追求する.上記のe),c)の研究から見えてきた新しい方向(必ずしも自己双対でない双エルミート構造の問題)にも研究を展開する予定で,引き続きPontecorvo氏(RomeIII)と共同研究を継続したい.また,研究代表者は,次年度は従来より多くの研究時間を確保できると考えられるので,論文をまとめる方向にも力を注ぎたい.
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Research Products
(4 results)