2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤木 明 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (80027383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎 一郎 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20146806)
後藤 竜司 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30252571)
小木曽 啓示 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40224133)
臼井 三平 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90117002)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ツイスター空間 / 自己同型群 / Joyce自己双対構造 / LeBrun自己双対構造 / Penrose対応 |
Research Abstract |
LeBrunおよびJoyceにより, 複素射影空間の連結和の上に構成された自己双対構造2種類の族は, コンパクト4次元多様体上の知られている唯一の非自明な明示例である. 近年 Honda-ViaclovskyによりLeBrunの自己双対構造についてその自己同型群が完全に決定された. これに触発されて代表者は, Joyceの自己双対構造についても, 対応するツイスター空間に関する代表者の以前の結果を本質的に用いて同様にその自己同型群を決定した. 一方, 我々の主研究対象である双曲型や放物型の井上曲面上の反自己双対双エルミート構造の族は, Joyceツイスター空間の双有理形特異モデルをsmoothingして得られるものであり, われわれの結果は, 上記反自己双対双エルミート構造の族の自己同型群およびそのmoduli空間の構造の決定への重要なステップである. 一方, Pontecorvo 氏との共同研究では, 一般化されたKaehler 構造に関連して, 一般のVII型複素曲面について, その上の曲線の可能なconfiguration を通じて,それらが一般化された双エルミート構造を持つ場合を詳細に研究した. これは現在も研究を継続中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンパクト非Kaehler 曲面上の反自己双対(双)エルミート構造の研究が, 研究目的の最重点事項であった. 中でも興味の中心は Pontecorvo 氏と共同で構成した双曲型,放物型井上曲面上の反自己双対双エルミート構造のmoduli空間の構造であったが, この点について, 我々の具体的な構成からいくつかの予想をたて, さまざまな特殊事情を生かして研究することにより, 当初の予期以上の成果があがりつつある. しかも, これらの特殊な場合の考察から出発して, 一般の局所Kaehlerなコンパクト複素曲面に対する反自己双対エルミート構造のmoduli空間に関する一般的な定式化に導かれ, 今後のに向けて問題のパースペクティブがさらに広がったことにも満足している. ただ, 得られた結果をいくつかの論文にまとめ上げるための時間の不足を懸念している.
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究者である Pontecorvo 氏と連絡をとりながら, これまでに得られた種々の結果を出来る限り研究期間内にまとめあげ, 出版にまでこぎつけたい. ただ, 上述の研究のみをとっても, どうしても継続研究が必要となるとおもわれ,さらに, 研究の当初に掲げた研究対象の全体からみてもまだまだやり残していることが多い. さらに今年度に新規の科研費の申請を行って, 研究を継続したいと考えている.
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Research Products
(8 results)