2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹田 雅好 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30179650)
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Keywords | 大偏差原理 / 対称マルコフ過程 / 加法汎関数 / ディリクレ形式 / ファインマン・カッツ汎関数 |
Research Abstract |
Feynman-Kac汎関数の重みを持つ対称マルコフ過程に対するDonsker-Varadhan型大偏差原理は,Varadhanが定式化した大偏差原理とは異なるものであった.しかし,正規化することによりVaradhanの意味での大偏差原理とみなせることが分かっている.それは不変測度からではなくground stateからの大偏差とみなせる.その過程で示されたことは,Schroedinger作用素のground stateの存在と,大偏差原理におけるレート関数がground stateで唯一の零点をとることである.ground stateの存在から準定常分布の存在が分かるので、本年度は準定常分布の一意性について調べた.特に一意性とマルコフ半群の超縮小性の関係について調べ,超縮小性があれば準定常分布の一意性が導けることを示した.一次元拡散過程については1標準測度とスケール関数の言葉で超縮小性が成立するための十分条件が知られている.そのことを,具体的な一次元拡散過程に応用して,ロジスチックモデル対して準定常分布の存在を示すことができた.準定常分布は消滅するまでの個体の振る舞いを知るうえで重要である. ground stateの存在は,マルコフ過程のレゾルベントのコンパクト性から従う.しかし,一般にはコンパクト性を示すことが難しい場合においてもground stateの存在を示すことができる場合があることを示した.例えば次元が1で指数が1の対称安定過程を主要部に持つSchroedinger作用素のgroundstateの存存が示せた._
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Research Products
(3 results)