2011 Fiscal Year Annual Research Report
Klein群および複素力学系の退化とその特異性の解析
Project/Area Number |
22340028
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
志賀 啓成 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (10154189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相川 弘明 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20137889)
宍倉 光広 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70192606)
須川 敏幸 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (30235858)
足利 正 東北学院大学, 工学部, 教授 (90125203)
大鹿 健一 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70183225)
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Keywords | Klein群 / リーマン面 / タイヒミュラー空間 / 複素力学系 / 複素解析 |
Research Abstract |
志賀は、古典的なCauchy積分の境界挙動を研究し、その境界値と境界関数を定義する特異積分の連続度に関して新しい知見を得た。また、リーマン面のモジュライ空間の1点の単射半径をその点を表すリーマン面の双曲構造を用いて下から評価することに成功した。 相川は、古典的なHarnack原理を拡張し,途中に障害物がある場合でも同様の結果が得られる条件を発見した.容量的幅を拡張されたHarnack原理によって評価し,対数型の連続率を持つHolder領域に対して,境界Harnack原理を導いた. 宍倉は、無理的中立不動点の近くの不変集合の構造について、近放物型くりこみの理論に基づき研究し、不変集合のモデルを構成した。また、Yoccozのパズルの方法を用いて、実2次多項式族の中のカオス的パラメータの測度に関するJakobsonの定理の別証明を与え、その測度の実効的評価を与えた。 須川は、主に単位円板上で正規化された正則函数のベキ変形を考察した.特に,変形が単葉となるような指数全体の集合の基本的な性質について調べた. 足利は、一般次元 Hirzebruch-Jung 型連分数を多重分数係数のある非可換多項式として定式化し、そこから孤立巡回商特異点のトーリック解消のアルゴリズムを誘導した。また 複数個の巡回特異点同士の双対的関係を示し、これよりDedekind 和に関するZagier 相互律を拡張した。 大鹿は、Bers境界のreductionを考え,そこには写像類群が連続に作用することを示した.逆にこの境界の自己同相写像はすべて,写像類から来ることを示した.Primitive stabilityの問題をI. Kim, W. Jeonと考察し,自由Klein群がprimitive stableになるための必要十分条件をend invariantの言葉で記述した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モジュライ空間の境界近傍の退化度に関してより精密な評価が得られた.また,Holder領域のポテンシャル論的な考察に置いて新たな知見を得た.PSL(2, C)表現の研究においてもend invariantの新たな性質が明らかになるなど,全般的に順調に成果が上がっている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者,分担者の担当が担当の課題を研究し,研究代表者が全体を総括する.また,研究成果の発表と情報交換のための研究集会を開催する.
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Research Products
(33 results)