2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340029
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
谷島 賢二 学習院大学, 理学部, 教授 (80011758)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シュレーディンガー方程式 / 数理物理学 / 偏微分方程式 / 関数解析 / 散乱の波動作用素 / 散乱理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)量子物理の数理解析を研究した。この研究のためワルシャワ大学のDerezinski教授、オーフス大学のMoeller 教授ならびにミュンヘン大学のSiedentop教授を招聘して、とくに非相対論的量子場におけるシュレーディンガー方程式の解の時間発展問題、ならびに多体シュレーディンガー作用素のスペクトル構造に関する研究情報の交換と共同研究を行った。さらにオールボーグ大学に滞在しJensen 教授と電磁場中の水素原子に対する散乱問題について共同研究を行った。これらの結果、以下の研究成果が得られた。1)時間に依存する外部古典電磁場を伴う多体シュレーディンガー方程式が状態空間上に一意的なユニタリ伝播作用素を生成するための粒子間相互作用ならびに外部電磁場に対する極めて一般的な十分条件を発見した。多体シュレーディンガー方程式に対するこの種の研究成果は極めて希であることから、この研究成果は今後標準的文献となる可能性がある。この成果は近日中に国際会議で発表するとともに学術雑誌に公表する予定である。2)散乱の波動作用素のルベーグ空間における連続性の研究を継続し、シュレーディンガー作用素のレゾルベントが連続スペクトルの下端に特異性を持つ未解決の場合について、2次元ならび4次元空間を除外してほぼ完全に解決した。除外した次元の場合の解決にはさらに時間が必要とされる一方、この成果は他分野の研究にも役立つものであるので、未解決部分を除外した部分的な成果を近日中に発表する予定である。3)古典的な一様電磁場中の水素原子に対する散乱理論を研究し、閾値エネルギーにおけるレゾルトの特異性が緩やかな(非物理的)空間次元における散乱の完全性を証明した。非相対論的場の量子論における同じ問題の取り扱いの参考になると予想される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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