2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340031
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三輪 哲二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10027386)
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Keywords | サインゴルドン模型 / 形状因子 / 局所場 / フェルミオン / 積分表示 / 平面分割 / 量子トロイダル代数 / 半無限積 |
Research Abstract |
Smirnov,Jimboとの共同研究により、サインゴルドン模型の形状因子について、局所場との対応を、局所場に作用するフェルミオン生成作用素を用いて、明らかにした。サインゴルドン模型における局所場の全体を記述するという問題は、可積分な場の理論における長い間の懸案であった。1987年にSmornovは、この問題に差分方程式の解の積分表示という複素解析的立場からの先鞭をつけた。1997年に、Babelon-Bernard-Smirnovは、積分表示に現われる被積分函数の族が満たすべき条件を明らかにし、この条件を満たす函数をフェルミオン作用素によって系統的に作り出す方法を与えた。一方で、XXZ模型の相関函数の積分表示に端を発する研究の結果、2010年にBoos-Jimbo-Miwa-Smirnovは、相関函数を特別な場合として含む局所場の汎函数を記述するフェルミオン作用素を導入した。今回の結果は、この2つのフェルミオンが同一のものであることを示した。 Feigin,Jimbo,Mukhinとの共同研究で、平面分割でラベルのついた基底の上に、量子トロイダル代数の最高ウエイト表現を構成し、その特別な場合として無限次元一般線形リー代数や、A型の量子アフィン代数の最高ウエイト表現の具体的な作用を書くことに成功した。この方法の元に成るのは、古典的な半無限積によるフォック表現の構成であるが、我々はこれをトロイダル量子化することで表現の構成を行なった。すなわち、2段階の半無限積を取る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
可積分場の理論においては長年の懸案だった、形状因子の積分表示が、どの局所場に対応しているかという問題が解決された。量子トロイダル代数については、具体的は基底を構成するやり方で広い範囲の表現が構成された。
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Strategy for Future Research Activity |
可積分場の理論においては、局所場へのフェルミオンによる記述が、運動の局所不変量の作用を法としての記述にとどまっているのを制限を外したい。量子トロイダル代数については、パラメタの特殊化によって表現が既約出なくなる場合の研究を行ないたい。
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Research Products
(3 results)