2010 Fiscal Year Annual Research Report
確率論的手法による測度距離空間上の解析学と幾何学の研究
Project/Area Number |
22340036
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
桑江 一洋 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (80243814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 隆 東北大学, 理学研究科, 教授 (90235507)
太田 慎一 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00372558)
石渡 聡 筑波大学, 数理物質科学研究科, 助教 (70375393)
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Keywords | ディリクレ形式 / 調和写像 / 劣調和関数 / 変分収束 / グロモフ・ハウスドルフ収束 / アレキサンドロフ空間 / 加藤クラス / 熱核 |
Research Abstract |
平成22年度は以下の研究をおこなった。 1.p-一様凸空間上の確率測度の重心に対するJensenの不等式の研究を行なった。とくに2-一様凸空間のJensenの不等式を得た。p-一様凸空間では確率測度の重心の概念を定めることができるが、Jensenの不等式に関する研究は今までなかった。今回、測地線に関する幾何学的条件の下でJensenの不等式が成立することを証明した。この条件は完備なCAT(0)空間や直径はπ/2未満の完備なCAT(1)空間で成立することも合わせて示し、今回の結果が、報告者による以前の研究である直径はπ/2未満の完備なCAT(1)空間上のJensenの不等式の拡張であることを判明した。 2.p-一様凸空間の族の上の変分収束について研究した。完備なp-一様凸空間の族の間の位相の概念と弱位相の概念を定め、バナッハーアラオグルの定理のp-一様凸空間版を示した。p-一様凸空間かつBusemannの意味で非負曲率空間に値をとるL^p写像の空間もp-一様凸空間なのでその上のエネルギー汎関数に関する変分収束も合わせて示した。 3.完備な2-一様凸空間に値をとる離散時間L^2マルチンゲールの理論を研究した。これは完備CAT(0)空間で成立することの拡張である。幾何学的な条件の下でJensenの不等式が成立することから凸関数とL^2マルチンゲールの合成が実数値確率変数としての劣マルチンゲールになることも得た。
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Research Products
(4 results)