2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340037
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
下村 俊 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00154328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 宇賢 慶應義塾大学, 理工学部, 名誉教授 (00015835)
谷 温之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90118969)
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Keywords | Painleve方程式 / 値分布 / Fibonacci数 / 代数的独立性 |
Research Abstract |
1.Painleve方程式(V)の非有界な解のある族について一つの結果を得た.ある角領域において有界な解はその領域において解析的な表現をもち1-パラメーター族をなす.そのような解はその固有な角領域の外部においては一般には有界ではなくなるが,どのような振る舞いをするかは興味ある問題である.これに類する問題に関してはPainleve(I),(II)などについては比較的よく研究されていたが(V)についてはあまりよくわかっていなかった.本研究では,上述の解について角領域における値分布論などを使うことにより,一般に無数の極,a-点が存在することを証明し,その相対的な頻度についても明らかにすることができた. 2.今までFibonacci数の逆数和についての値の系列にを考え,その個々の値の代数的独立性,さらにその間に成り立つ代数関係式について調べてきた.本研究においては,その中でも,偶数番目の項よりなる和について,同様の問題を考察した.その系列のはじめの数個が代数的独立となり,他の値はそれらの代数的な式により表現されることが示された. 3.上の研究2においては,代数的独立性についてはその系列のはじめの幾つかの値のみの独立性に着目してきたが,本研究ではその系列の中から数個を任意に取り出したときそれらの値が代数的に独立となるのはどのような場合かということを明らかにすることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
はじめに設定した研究テーマについて幾つかの意味のある結果を得ることがでkたから.
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Strategy for Future Research Activity |
Painleve方程式については幾つかの成果をえることが出来たが,今後は,その差分あるいは離散版,さらにはそれらと通常のPainleve方程式との関係について考察してみたい.
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