2013 Fiscal Year Annual Research Report
多波長観測による超相対論的ジェット天体の系統的研究
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22340039
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
田代 信 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (00251398)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 宇宙ジェット / X線・ガンマ線観測 / ガンマ線バースト / 活動銀河核 |
Research Abstract |
本年度もひきつづき以下のA)~C)の三つの分野について研究を進めた。 A) ジェットの状態遷移の観測的研究(超広視野可視光望遠鏡WIDGETの整備と連携観測システムの構築による多波長観測):超広視野のWIDGET-2については、小屋内においた制御用計算機が経年劣化と雨による動作不良をきたしたので、埼玉大にもちかえり計算機と赤道儀のオーバーホールをおこなった。また埼玉大学の中口径望遠鏡との連携をはかるため、大学に中口径望遠鏡と隣接した観測小屋を設置していただいた。 B)ジェット内部の研究(「すざく」衛星搭載WAMによるGRBスペクトル変動の観測):かねてより進めていた、FRED型光度変動をするGRBのデータをつかって、スペクトル変動の系統的探査について、前年の論文公表にひきつづき、Swift衛星搭載BAT検出器との同時観測ができた複数のGRBについて、より広帯域でのスペクトル変動の研究をすすめ、国際学会ならびに国内学会で報告した(Ueno et al. 国際学会 ギリシア、愛媛; 日本天文学会秋季年会)。またIPNをもちいたGRBについてこれまでの観測をまとめた (Hurley et al. 2013, Pal'sin et al. 2013) C)ジェット環境の観測にむけた装置開発(ASTRO-H搭載装置開発):X線マイクロカロリメータのとくにデジタル信号処理部の搭載モデルの試験をすすめた。具体的には、動作・機能試験、衛星に搭載しての通信実証、X線マイクロカロリメータ全体と組み合わせての性能実証試験をすすめ、所定の性能を発揮できることを実証した(田代他 日本天文学会2013年秋季年会、山口他 日本天文学会2014年春季年会)。またASTRO-HによるGRBの観測について検討をすすめた(Tashiro et al. 2013 Explosive Transient ギリシア)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A)については、制御計算機の劣化とその更新にともなう観測中断を余儀なくされたが、更新と整備作業がすすみ、翌年度早々に観測再開する見通しである。B)については他衛星のアーカイブデータを使用することで、系統的な研究が進展しており、翌年度にも結果を論文として公表できる見通しである。C)については、予定どおり開発を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
三つの項目について、それぞれ継続的に発展させる。 A)については、広視野望遠鏡の整備と再稼働。30cm望遠鏡をつかった中口径望遠鏡との連携を2014年度前半に行い、観測データの蓄積をすすめる。B)については、第2論文を出版する予定である。C)については、搭載モデルの最終的な試験と仕上げをおこない、地上のデータ処理ツールをふくめた全体の実証をすすめる。全体として順調に進展しているので、それぞれの成果を出し着実にジェットの総合的理解へと近づけてゆきたい。
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