2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340044
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩室 史英 京都大学, 理学研究科, 准教授 (80281088)
|
Keywords | 光学赤外線天文学 / 超精密計測 / 精密位置制御 / 分割鏡 / 望遠鏡 |
Research Abstract |
京都大学では、次世代の超大型望遠鏡建設に必要な技術を用いて口径3.8mの望遠鏡を国内に建設する計画を進めている。本研究では、それに関連して以下の研究を行った。 1. 複数の分割鏡による制御安定性試験 平成22年度は、個々のアクチュエータの駆動再現性を向上させるための改良を繰り返し、センサーによるフィードバックなしの状態で上昇・下降時の位置の違いを±50nm程度にまで追い込むことに成功した。これにより、位置センサーによるフィードバックをかけた際の安定性が向上し、目標位置までの収束速度,が向上した。また、センサー固定用のアームの材質と形状に関する評価を行い、5mm厚セラミックスのアームを用いることに決定した。これらの改良ののち、分割鏡2枚を用いて制御安定性の試験を開始しており、安定性確認後は名大で製作している望遠鏡架台部に制御機構を取り付けての試験に進む予定である。 2. 18枚の分割鏡の制御シミュレーションを行い、鏡同士の相対位置関係を最も精度よく測定できる位置センサーの配置パターンを決定した。また、個々の鏡の微小な併進・回転の影響を評価した結果、これまでの想定以上である0.1mm程度の固定精度が要求されるととが判明し、現在横ずれ支持部の改良を検討中である。現在、このシミュレーションソフトを用いて、18枚の鏡が振動しないように制御するアルゴリズムを検討中である。 3. 内周6枚の分割鏡のみで試験を行う際の小型の試験副鏡を製作し、裏面からのフーコーテストで形状確認する方法を用いて正しい形状がほぼできていることが確認できた。
|