2010 Fiscal Year Annual Research Report
地球ニュートリノ方向検出のためのイメージインテンシファイアユニットの開発
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22340047
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三井 唯夫 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 准教授 (20283864)
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Keywords | ニュートリノ / イメージング |
Research Abstract |
本年度は計画通り、イメージインテンシファイア・CCDカメラを購入し「光学系後段」をテストするためのテストベンチを組み立てた。この両装置は、研究計画では浜松ホトニクス社から購入の予定であったが、同等性能でやや値段が安いことから、仏フォトニス社製のものをセイコーイージーアンドジー社を通じて購入した。フォトニスは、イメージインテンシファイアーの世界的メーカーである。今後の開発方針を立てるためにも、今まで試した事のない、同社の製品をテストしたかったという目的もある。 光学系後段とは、イメージインテンシファイアの光電面に像を結ぶ以降の部分で、2リットル液体シンチレータを撮像する事でテストを行ってきた。特に低倍率の光学系を製作することに力を注いだ。同イメージインテンシファイアーの光電面は直径18mmであり、たとえば10cmの視界を得るためには、倍率約0.2倍としなくてはならない。今回は、3枚のアクロマティックレンズを組み合わせることでこれを実現した。しかし、レンズの集光面積が足りず、液体シンチレータの低エネルギー反応(セシウム137の660keVガンマ線のコンプトン散乱)は撮影できなかった。そこで既存のNaIシンチレータを用いて、同線源の全吸収ピークを撮影したところ、ようやくスポットを撮影できた。これは、全吸収でエネルギーが大きくなった事と、NaIの発光量が液体シンチレータより大きいためである。この結果から、前レンズの集光面積を3倍にする必要があることが分かった。これらのデータをもとに、現在ひきつづき光学系の改良を進めている。
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