2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340055
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小松 雅宏 名古屋大学, 教養教育院, 准教授 (80345842)
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Keywords | ニュートリノ / 原子核乾板 |
Research Abstract |
低エネルギーニュートリノの反応断面積は核の効果等も含めて良く理解されているとは言いがたい状況である。ニュートリノ振動実験において、ニュートリノ質量差が非常に小さいため、必然的に振動確率を上げるべく低エネルギー領域での実験が重要性を増してくる。本研究の目的はこうした低エネルギー領域でのニュートリノ反応の性質を調べることにある。 主にアメリカのフェルミ国立加速器研究所にてFermilab T952テスト実験として行ったニュートリノビーム照射を行った原子核乾板標的の全てのフィルムのデータをくまなく読み出して解析することにより、極力バイアスの入らないデータ取得を目的としている。このような解析を可能とする為には全自動飛跡読取装置の強化とそのオフライン解析ソフトの充実が不可欠であり、まずはこのオフライン解析ソフトの充実と解析システムの強化を行っている。このオフラインソフト及び飛跡読み取り装置は原子核乾板を用いる素粒子実験にとっては共通のものであり、本研究と並行して行われているOPERA実験の解析システムの構築作業と協力しながら行っている。解析システムは次世代の自動飛跡読み取り装置は非常に広視野の専用光学系を用いたモザイク式多センサー読み取りによる高速化を行っている。また、解析ソフトに関しては大面積データのハンドリングと再構成にあたってはOPERA実験のCS解析と共通項が多く、共同での開発を推進中である。現時点では処理時間にはまだ改善の余地があり、さらなる検出効率を高める工夫が必要な状況である。
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Research Products
(3 results)