2012 Fiscal Year Annual Research Report
次世代二重ベータ崩壊実験用高エネルギー分解能システムの開発研究
Project/Area Number |
22340060
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小川 泉 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20294142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 忠史 大阪大学, 核物理研究センター, センター長 (90134808)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 実験核物理 / 素粒子実験 / 放射線、X線、粒子線 / 二重ベータ崩壊 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に製作したプロトタイプ装置の改良を進めるとともに、それを用いて、数種のシンチレータについての発光特性の温度依存性の研究を進めた。また、前年度CANDLES III(U.G.)に設置した鏡面型導光管(ライトパイプ)に関して、性能評価を行うとともに、長期間測定による性能の安定性の確認も行った。 プロトタイプ装置は、自動で温度制御と測定ができるように改良を進めた。またこれまで比較的時間がかかっていたデータ収集に、高速なハードウェアシステムを導入することにより、前述の温度制御と合わせて測定中の温度変化をほぼ無視できるようにした。 このプロトタイプ装置を用いて3種のシンチレータについて、発光特性の温度依存性の研究を行った。今年度から新たにガドリニウム(Gd)160の二重ベータ崩壊研究への利用可能性を探るべく、Gd2SiO5 (GSO)・Gd3Al2Ga3O12(GAGG)結晶の研究を行った。特にGSOについては、室温から-100℃付近までの冷却実験を行った結果、-50℃付近で発光量が最大(室温の1.4倍程度)となり、さらに冷却すると発光量が低下することが分かった。一方、時定数は温度低下とともに増加することがわかった。この温度変化に対する時定数の変化量が、入射粒子によって異なることから、β(γ)とα粒子の弁別可能性について調べたところ、弁別能を表すパラメータ(FOM)が室温に比べて2.5倍程度に上昇することが分かった。GAGGについては、室温付近でも十分な弁別能を示すことが分かった。 CaF2(pure)については、プロトタイプ装置での基礎的な研究を進めつつ、昨年度の結果をもとにCANDLES III(U.G.)への冷却システムの組み込みについての可能性を検討し、設計を行った。予算の裏付けが得られた段階で製作・設置を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)