2011 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙からの極限エネルギー宇宙線観測のための電子回路装置開発研究
Project/Area Number |
22340063
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
梶野 文義 甲南大学, 理工学部, 教授 (50204392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 常夏 甲南大学, 理工学部, 准教授 (40454722)
川崎 賀也 独立行政法人理化学研究所, 戎崎計算宇宙物理研究室, 協力研究員 (70344033)
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Keywords | 宇宙線 / 宇宙 / 電子回路 / JEM-EUSO / ASIC / 光学系 |
Research Abstract |
本研究の全体構想は宇宙から飛来する宇宙で最大のエネルギーの粒子を国際宇宙ステーションから観測し、極限エネルギー宇宙を研究するJEM-EUSO ミッションを遂行することにある。「本研究の目的」はこのJEM-EUSO ミッションを遂行するため、プロジェクトの要となる超低消費電力の信号読み出し用集積回路を含む電子回路系の開発・製作・試験を行い、この回路を用いた望遠鏡により大気発光現象の観測を行い、宇宙で観測のための基礎データを得ることにある。H23-H24年度の「研究の成果」は以下のようであった。 1)JEM-EUSO用専用集積回路(ASIC)をLAL(仏)と共同開発を行った。第1試作品に対してテスト信号およびPMTからの信号を入力して試験し、消費電力、調整回路、光電子計数回路等がほぼ期待した性能を持つことを確認した。ASICの第2試作品に対してもLAL(仏)と共同開発を行った。H24年度にはこの第2試作品を試験基板に装着し、消費電力、調整回路、光電子計数回路の試験の結果、ほぼ期待した性能を持つことを確認した。 2)宇宙環境における放射線の影響を調べるため、放射線医学総合研究所のHIMACを利用してASICに重粒子線(鉄イオン)を照射した。この結果、約6年相当分の照射の間、ASICは正常に動作し続け、デジタル回路の誤動作は確認できなかった。 3)光電子増倍管とASICやFPGAを組み込んだ統合回路系による検出器モジュールの設計・試作・試験を行うとともに、TA-EUSO 望遠鏡のレンズの設計・試作・製作を行った。また、ユタ州Telescope Array サイトにTA-EUSO 望遠鏡を設置するための活動を行い、H24年度にはTA-EUSO 望遠鏡をユタに設置し、背景光計測を行って、上記の統合回路系による検出器モジュールが動作する事を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H23年度にはASICの製作を行い、これを組み込んだ電子回路系にMAPMTを接続し統合試験を行う予定になっていたが、これはほぼ達成した。また、電子回路系を組み込んだ野外での観測用望遠鏡の製作・試験についてはH24年度に達成した。 H23年度中に製作予定のASICの第2試作品に対しては製作と部品調達の遅れからH24年度にずれ込んだ。しかし、これに対する消費電力、調整回路、光電子計数回路の試験の結果、ほぼ期待した性能を持つことをほぼ予定通りに確認した。 H24年度には望遠鏡システムとしての統合試験を行い、野外観測用望遠鏡により、予定通りに背景光計測を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)