2013 Fiscal Year Annual Research Report
超高エネルギー宇宙線と地球大気相互作用の量子色力学に基づく定量的解析
Project/Area Number |
22340064
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
板倉 数記 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (30415046)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 原子核(理論) / 高エネルギーハドロン物理 / 宇宙線 |
Research Abstract |
高エネルギーハドロン衝突のイベント生成コードHIJINGに対し、前方方向におけるグルオン飽和効果を取り入れる作業は、前年度までに陽子陽子衝突の大まかな記述ができるまで完成していた。25年度はさらに以下の改良を試みた。 (1) 陽子陽子衝突において、ソフトな散乱の寄与にエネルギー依存性を「持たせない」枠組みで実験結果を記述できるのかを吟味する。理論的には、ソフト部分のエネルギー依存性を与えるパラメータを導入しないで済むという利点がある。 (2) ハードな散乱には含まれているinitial/final state radiationの効果を、グルオン飽和からの寄与(セミハード成分)にも適用可能か吟味する。 (3) 陽子陽子散乱の枠組みを、陽子・原子核衝突や原子核・原子核衝突に応用する。 これらに対し以下の結果を得た。(1)ソフト部分にエネルギー依存性を全く与えない方法は、エネルギー依存性を与える方法に比して実験結果をあまりよく記述しない。しかし、これはパラメータの減少に起因するもの。本質的な困難であるのか否かは、他の部分の改良を含めて総合的に判断する。(2) セミハードな散乱のうち、超前方方向の散乱は通常のハード散乱とセミハード散乱の混在した記述方法を採っており、ハード部分にinitial/final state radiationを取り入れることができた。しかし完全にセミハードな散乱に対しては技術的困難のため、取り入れてない。その効果を含めずとも現象論的に満足な記述が可能か否かを吟味している。(3) 陽子陽子散乱を記述する枠組みでも、必ずしも陽子原子核衝突の実験結果を再現しないことが分った。そこで、その原因を解明するために、原子核側のコヒーレントな散乱の記述方法を工夫している。現在これらを踏まえてハドロン相互作用コードの最終版を準備している。その後は宇宙線空気シャワーコードに組み込む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)