2012 Fiscal Year Annual Research Report
大強度パルス化ミューオンビームの開発によるレプトンフレーバー物理の新展開
Project/Area Number |
22340065
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
三原 智 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80292837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 創 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (10534810)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ミューオン電子転換事象 / レプトンフレーバー / パルス陽子ビーム / ビーム純度 |
Research Abstract |
平成24年度は平成23年度に最適化を施した計測装置を使用して、高精度の時間構造測定を実施した。計測結果の解析をビーム損失シミュレーションの結果と比較し、時間構造の劣化の原因追求を行った。 平成24年度は新規に波形解析アルゴリズムを導入し陽子ビーム時間構造測定装置の改良をまずは行った。その後、これを用いてJ-PARC主リングにおいて陽子ビーム時間構造高精度測定を実施した。前年度までの研究により、平成24年度の研究開始時点ですでに高計測率対応のための検出装置の細分化、電気回路中の信号反射を低減するためのインピーダン適合の調整は終了していたため、直ちに計測を開始できた。計測にあたっては、J-PARC主リングで加速した陽子ビームを、パルス構造を保持したままアボートラインに取り出しを行う早い取り出し法を適用してビーム診断を行った。 診断の結果、J-PARCメインリングでは、陽子ビームの入射及び加速時には時間構造の劣化は生じておらず、加速終了後に陽子ビームがリング内を周回しているうちに陽子が加速用のバケットから漏れだし、時間構造が悪化することが判明した。この対処方法として、加速終了後のビーム周回時にもビーム加速用のRF電圧を保持したままにしておくことで、漏れだした陽子が排除され時間構造の劣化が防止できることが判明した。 この対処法を適用して、更にビーム診断を行ったところビーム純度としておよそ10の-12乗が達成されていることが判明した。この純度はミューオン電子転換事象探索実験の目標感度を達成るするためには十分な値であり、今後の研究で実験感度を最適化する際の重要な技術を確立することができた。今後は、通常の主リングでの加速エネルギー(30GeV)とは異なるエネルギーでのビーム取り出し、遅い取り出し法によるビーム取り出し時の純度の最適化を行うことで、更に研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)