2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340068
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
中尾 幹彦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80290857)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 素粒子実験 / データ収集システム / 高速シリアルデータ転送 |
Research Abstract |
平成25年度の前半は、これまでプロトタイプ的扱いであったデータ転送プロトコルの見直しを行い、大規模データ収集システムにおける約 1000 台の読み出し基板を同時に扱うことに耐え得るだけの機能を盛り込んだものに発展させた。また、FPGA の種類依存の部分とそうでない部分との切り分けを行い、世の中で広く使用されているXilinx社の評価基板に照準をあてたサンプル実装を行うことにより、機能追加などの拡張性を高めた。 平成25年度の後半は、これまで開発してきたトリガ分配基板とファームウェアを用いてビームテストによるデータ収集試験に臨んだ。最初のテストは平成25年10月に Belle II実験用飛跡検出器で Spring-8 の電子ビームを用いて読み出す試験であった。ここではデータ収集はある程度行うことが出来たものの、トリガ分配についていろいろな問題点を洗い出すことが出来た。ここでの教訓を元に多数のファームウェアの問題点を修正し、平成26年1月の DESY 研究所におけるピクセルおよびシリコン崩壊点検出器の読み出し試験に臨んだ。実験開始まで問題の解明を行い、読み出し試験自体は問題なく終えることが出来た。これにより本研究で開発してきたトリガ分配システムの実現性をある程度実証することが出来たと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
回路基板のファームウェア開発には予想以上の時間がかかってはいるが、問題をひとつずつ解決してゆくことによりノウハウが蓄積されてきており、新しい問題への対処も進めやすくなっている。特に平成25年度の最初のビームテスト実験では問題点が露呈し、現場での解決を行うことが出来なかったが、二回目のビームテスト実験では安定動作を行うことが出来たことにより、予定通り達成度に達していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度にはBelle II検出器の実機の設置が本格的に始まり、特に電磁カロリーメータおよび KL/ μ粒子検出器のシステムについて大規模なトリガ信号の分配が必要とされる。超高頻度トリガ源はまだ存在しないが、高頻度疑似乱数トリガ生成アルゴリズムを用いて試験を行う予定である。 また、DESY研究所においてピクセル検出器およびシリコン崩壊点検出器の全読み出し経路について電子ビームを用いたテスト実験の第二回が予定されている。ここでは、第一回の時に試験できなかったトリガ分配のパイプライン化によるデッドタイムの削減の試験を行い、トリガ分配のデッドタイムレス化の検証を行う予定である。
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Research Products
(1 results)