2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340068
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
中尾 幹彦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80290857)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 素粒子実験物理 / 大規模データ収集システム / 高速シリアルデータ通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、本研究の総仕上げという形で、高エネルギー加速器研究機構において本格化する Belle II 実験の設置作業に伴う形での超高頻度トリガシステムの Belle II 検出器への設置および実証を行うことが出来た。特に Belle II 検出器の電磁カロリーメータおよび飛跡検出器はそれぞれ 52 台および 300 台の読み出し基板を必要とする最大規模のデータ収集系を擁し、実機を用いて Belle II の本実験とほぼ同じ規模での試験運転を兼ねた実証試験を行うことが出来た。
トリガのデッドタイムを極力なくすために新たに開発したシリアルデータ転送を用いたタイミング制御プロトコルのタイミング信号分配モジュールの FPGA のファームウェアには本年度開始時には大規模システムでの運用時に発生する様々の不安定要素が残っていたが、これらの実装上の問題点も本年度の一連の試験でほぼ解消し、信頼できる基幹システムになった。まだ 30 kHz の高頻度トリガレート下で現実的なデータ量での試験が行われていないため本研究の最終目標であるトリガシステムのデッドタイムレス化の達成度合の確認がとれていないが、必要な仕組みはほぼ用意できており、Belle II の本実験開始までには実証できる予定である。本研究により、Belle II 実験のような大規模な素粒子物理実験においてほぼ FPGA のみで特殊な周辺電子回路を搭載しない回路基板の LAN ケーブルによる接続により多種類の異なる多数の読み出し基板を制御することが出来ることが実証できた。またこれから設置予定の機器の試験や本実験の開始がスムーズに行えると期待できる。同様の速い制御が必要な他の実験設備への応用も可能である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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