2011 Fiscal Year Annual Research Report
チップ増強効果を用いた半導体量子ドット中の励起子分極のコヒーレント制御
Project/Area Number |
22340077
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
南 不二雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30200083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 佳宏 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (50372462)
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Keywords | ナノ光学 / 表面プラズモン / フェムト秒パルス / 量子ドット / 時間分解分光 / AFM / チップ増強 / 半導体 |
Research Abstract |
光照射された金属探針先端に誘起される表面プラズモンが生成する局在増強電場を利用することにより、探針直下のナノメートルサイズの空間領域の物質のみを強く光励起することができる新しいナノ分光法である探針増強ナノ光学分光法装置を開発し、探針直下の半導体単一量子ドット中の励起子のみをピコ秒あるいはフェムト秒レーザーパルス対でコヒーレントに制御し、この単一量子ドット中の励起子ダイナミックスおよびコヒーレント過渡現象の詳細を調べることを研究目的とした。既存のAFMコントローラを用いた走査型金属探針とレーザー顕微鏡を組み合わせた走査型探針測定系を組み上げ、金属探針を試料の任意の位置に移動させることが可能であり、かつ量子ドット上で大きなチップ増強度を得られるような装置を組み上げ、性能の向上に努めた。改良にかなりの時間を費やしたが、Si上のGe量子ドットにおいて探針の増強度が10^4程度になるように装置を改良できた。 また、GaSe超薄膜においても増強度が10^4に達するチップ増強効果を観測した。この超薄膜における増強効果を詳細に調べることにより、励起電場の増強効果よりも、金属探針が存在することによる輻射確率の増大効果の方が寄与が大きいことが判明した。 さらに、チップ増強ラマン散乱法を用いてSiO_2/Si基板上のGeナノワイヤーの高空間分解ラマン散乱測定を行った。チップ増強法を用いることで空間分解能69nmでGeナノワイヤーのラマン散乱測定を行うことができた。その結果により、単一Geナノワイヤーにおけるフォノンの閉じ込め効果の空間分布、および、結晶化GeとアモルファスGeの濃度比の空間分布などを測定することができた。 GaAs量子ドットにおいてコヒーレント制御の実験を行った。コヒーレント制御法により、励起子のパワーブロードニング過程を制御できることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的としていた増強度であるが104のチップ増強度が達成でき、この装置を用いていろいろな量子ナノ構造に対する測定を行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
次は、チップ増強効果を利用して、半導体量子ドット中の励起子分極のコヒーレント制御を試みる。また、チップ増強効果と非線形光学効果を組み合わせた実験に取り掛かる。
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Research Products
(28 results)