2012 Fiscal Year Annual Research Report
チップ増強効果を用いた半導体量子ドット中の励起子分極のコヒーレント制御
Project/Area Number |
22340077
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
南 不二雄 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (30200083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 佳宏 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (50372462)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ナノ光学 / 表面プラズモン / フェムト秒パルス / 量子ドット / 時間分解分光 / AFM / チップ増強 / 半導体 |
Research Abstract |
光照射された金属探針先端に誘起される表面プラズモンが生成する局在増強電場を利用することにより、探針直下のナノメートルサイズの空間領域の物質のみを強く光励起することができる新しいナノ分光法である探針増強ナノ光学分光法装置を開発し、探針直下の半導体単一量子ドット中の励起子のみをピコ秒あるいはフェムト秒レーザーパルス対でコヒーレントに制御し、量子ドット中の励起子ダイナミックスおよびコヒーレント過渡現象の詳細を調べることを研究目的とした。 探針の増強度が104程度になるように既存のAFMコントローラを用いた走査型金属探針とレーザー顕微鏡を組み合わせた走査型探針測定系を用いることにより、GaSe、ZnSe超薄膜およびCdSe量子ドットにおいて発光の増強度が104に達するチップ増強効果を観測した。さらに、チップ増強ラマン散乱法を用いてGaSe、ZnSe超薄膜およびCdSe量子ドットにおいてのラマン散乱測定を行った。2つの実験結果を比較することにより、これらの超薄膜および量子ドットの発光過程においては、励起電場の増強効果に加え、金属探針が存在することによる輻射確率の増大効果の寄与の方が大きいことが明らかになった。 フェーズロックされたフェムト秒パルス対を用いて、GaAs超薄膜中で励起子間散乱のコヒーレント制御の実験を行った。励起子衝突によりスペクトル幅が広がったがる現象であるパワーブロードニングを起こした超薄膜中の励起子のスペクトル幅がコヒーレント制御法により制御できることを示した。スペクトル幅の時間依存性から励起直後の励起子間衝突過程は非マルコフ性を示すことを実験的に明らかした。また、この結果を理論的に解析することにより、励起子・励起子散乱の相関時間は0.43ps程度であることも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)