2010 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性共鳴を用いた磁気交換力顕微鏡の原子分解能観察条件の研究
Project/Area Number |
22340082
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
李 艶君 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50379137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 康弘 大阪大学, 工学研究科, 教授 (40206404)
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Keywords | 強磁性共鳴 / 磁気変調 / 磁性探針 / マイクロ波照射 / マイクロ波吸収 / 磁気交換力顕微鏡 / 磁気モーメント / スピン |
Research Abstract |
個々の原子によって構築されたナノ構造体の磁気的性質を理解するために最も重要なものは、原子の磁気モーメント(スピン)間の磁気交換相互作用である。これを直接測定できる革新的な手法として、磁気交換力顕微鏡が注目されている。本研究は、『強磁性共鳴を用いて、物質表面に作用する磁気交換力を原子分解能で観察できる磁気交換力顕微鏡を開発する』ことを課題として提案する。また特に重要な研究目標として、『上記課題を実現するための測定条件を理論的・実験的に解明する』。 本年度は、以下の研究課題について検討した。 1) 先鋭で清浄な磁性体探針の実現 現有の超高真空原子間力顕微鏡に装備しているArスパッタ銃を用いて、シリコン(Si)探針に磁性体(Fe)を先鋭にコートできるようにした。 2) マクロ波を探針先端に効率的に照射する機構の構築 現有の極低温・超高真空原子間力顕微鏡にXYステージと直線導入機とからなる3軸移動機構を取り付け、マイクロ波のアンテナを探針先端近傍に接近できるようにした.なお、マイクロ波信号発生器としては現有のものを使用し、その真空チャンバーへの導入は、マイクロ波用の信号導入端子を使用した。 3) 磁性体探針の強磁性共鳴条件の解明 磁性体(Fe)探針によるマイクロ波吸収の周波数特性を測定し、磁性体探針の強磁性共鳴の条件を実験的に明らかにした。
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