2011 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性共鳴を用いた磁気交換力顕微鏡の原子分解能観察条件の研究
Project/Area Number |
22340082
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
李 艶君 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50379137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 康弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40206404)
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Keywords | 強磁性共鳴 / 磁気変調 / 磁性探針 / 磁気交換力顕微鏡 / マイクロ波照射 / マイクロ波吸収 / 磁気モーメント / スピン |
Research Abstract |
個々の原子によって構築されたナノ構造体の磁気的性質を理解するために最も重要なものは、原子の磁気モーメント(スピン)間の磁気交換相互作用である。これを直接測定できる革新的な手法として、磁気交換力顕微鏡が注目されている。本研究は、『強磁性共鳴を用いて、物質表面に作用する磁気交換力を原子分解能で観察できる磁気交換力顕微鏡を開発する』ことを課題として提案する。 本年度に実施した研究計画は、下記の通りである。 1)磁気交換力の最適観察条件の理論的検討 磁性体探針・磁性体試料間に働く磁気交換力は、カンチレバーの共振周波数のシフトとして測定される。その周波数シフトの大きさは、磁気交換力が短距離相互作用力であるため、カンチレバーのばね定数、機械的共振周波数、振動振幅などの観察条件に大きく依存する。ここでは、磁気交換力を最も高感度に測定するための様々な観察条件を理論的に解明した。 2)探針・試料間相互作用から磁気交換力だけを分離測定できることを実証 カンチレバーの周波数シフトに現れる変調成分をロックインアンプで検出することにより、磁気交換力だけを分離測定できることを実証した。 3)磁気交換力の最適観察条件の実験的検討 測定された周波数シフト曲線より、様々なばね定数、機械的共振周波数、振動振幅に対する周波数シフト曲線を理論的に導出した。この周波数シフト曲線に対する信号対雑音比を求め、最も感度の良くなる観察条件を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロ波を振幅変調し磁気カンチレバーに照射し、カンチレバーの周波数シフトに現れるこの変調成分をロックインアンプで検出することにより、磁気交換力だけを分離測定できることを磁気力顕微鏡動作で実証することに成功した。このように、本研究目標を達成するための具体的な研究計画が順調に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を遂行する上で大きな問題点は生じておらず、当初の研究計画に従って研究を推進すれば、研究目的を達成できると考えている。
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Research Products
(24 results)
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[Presentation] Imaging of Al_2O_3 Thin Film2011
Author(s)
R.Doi, S.Ozawa, Y.Naitoh, Y.J.Li, S.Sugawara
Organizer
19th International Colloquium on Scanning Probe Microscopy (ICSPM19)
Place of Presentation
Touyako, Japan
Year and Date
20111219-20111221
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