2012 Fiscal Year Annual Research Report
温度依存性に注目した光捕集性デンドリマーにおける超高速励起子伝達過程の解明
Project/Area Number |
22340083
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
赤井 一郎 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 教授 (20212392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 淳浩 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 名誉教授 (30034375)
下條 冬樹 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (60253027)
島本 知茂 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 技術専門職員 (70419638)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 光物性 / ナノ材料 / 高効率太陽光発電材料 / フェムト秒分光 / エネルギー伝達 |
Research Abstract |
光捕集性デンドリマーは、光アンテナ系で捕集した光エネルギーを100%近い量子効率でコアに伝達させることから注目されている。本研究では、フェムト秒時間分解発光の温度変化、低周波数分子振動によるコヒーレントフォノンに注目し、励起子エネルギー伝達過程とその物理的機構の解明に取り組んだ。最終年の実績の概要は以下の通りである。 (1)エネルギー伝達ダイナミクスの温度依存性の解明: 3~300Kで、デンドリマー試料のコア・アンテナ部の発光減衰時定数と、コア発光のフェムト秒時間領域の立ち上がり時定数の計測を行った。立ち上がり時定数は測定時間分解能と同等の早い立ち上がりを示した。伝達速度の解明には、時間分解能向上が必要であることが分かった。 (2)アンテナ部のコヒーレントフォノンの温度依存性の解明: ポンプ・プロープ法を用いてアンテナ部品分子単結晶のコヒーレントフォノン信号を調べた。また、それらの偏光依存性を詳細に調べ、(3)で行う解析との整合性について検討を行なった。その結果、様々なアンテナ部品分子で、エネルギー伝達に寄与するねじれ振動等の低周波数分子振動を同定出来た。 (3)半経験分子軌道による分子構造・振動モードの解析: 半経験分子軌道法を用いて分子振動モードのラマン活性強度を評価し、アンテナ部品部の低周波数分子振動の同定を行なった。同定された分子振動モードの内、エネルギー伝達過程に温度変化をもたらすことが期待できモードを検討し、伝達ダイナミクスの温度依存性について解析した。 (4)第1原理分子動力学シミュレーション: 非断熱的遷移をシミュレートできる有限温度第1原理分子動力学シミュレーションにより、光捕集性デンドリマーのモデル分子でデクスター型エネルギー伝達が高効率に起こることを示した。 (5) 総括: これらの研究結果を総括し、論文執筆と次の発展のために必要な点について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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