2011 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線を用いた低次元強相関系における量子ドメインの直接生成
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22340086
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
久保田 正人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (10370074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩野 薫 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (10211765)
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Keywords | 放射光 |
Research Abstract |
量子ビームのビーム特性を活用して、磁気測定や電気抵抗測定の温度変化測定を元に、ドメインが示す物性が磁気要因なのか、それとも構造要因なのかの判別を行うのは重要である。酸化物材料では、電気磁気効果、非線形磁気光学効果など興味深い新規現象が多く報告されている。また、そのような性質を利用した電気磁気変換素子や、従来のメモリーより多くの情報量を持つマルチフェロイックメモリーなど様々なアプリケーションへの応用が期待されている。 LuFe204の強誘電性を理解する上でc軸方向に働く2つの相互作用の競合を理解することが重要である。そのためには、積層の仕方に関して、詳細な知見を得ることが欠かせない。今回、多くの縮重した電荷状態にあると考えられるLuFe204のドメインの物性を捉えるために、電流を印加して電荷秩序状態がどのような影響を受けるかについて調べた。その結果、両者の微妙なバランスを電流により外場制御することに成功した。 電流駆動により、電子相関を持ったドメイン分布の様子が変化し、非線形的な振る舞いを示すことが明らかになった。これは、鉄イオンの平均価数がFe2.5+であり、Fe2+とFe3+サイトが同数存在するために、電荷のフラストレーションが内在していることに特徴的な振舞いであると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災の発生により、研究を遂行する際に用いる実験装置の一部や関連部品に対して、改良を含めた復旧・復興作業を行う必要があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた以外の測定手法についても、物性を捉えるため有用な観測手段が無いかの検討を随時行いつつ、研究を遂行する。
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[Journal Article] Angle-resolved photoemission spectroscopy study of PrFeAs00.7 : Comparison with LaFePO2011
Author(s)
I. Nishi, M. Ishikado, S. Ideta, W. Malaeb, T. Yoshida, A. Fujimori, Y. Kotani, M. Kubota, K. Ono, M. Yi, D. H. Lu, R. Moore, Z.-X. Shen, A. Iyo, K. Kihou, H. Kito, H. Eisaki, S. Shamoto, and R. Arita
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Journal Title
Phys.Rev.B
Volume: 84
Pages: 014504-1, 014504-5
DOI
Peer Reviewed
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