2012 Fiscal Year Annual Research Report
金属強磁性スピン相関の中性子散乱分光研究及び高輝度中性子モノクロメータの実用化
Project/Area Number |
22340089
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
平賀 晴弘 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任准教授 (90323097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 康夫 東北大学, 金属材料研究所, 名誉教授 (00013483)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 遍歴電子磁性 / 中性子散乱 / スピンダイナミクス / 中性子モノクロメータ |
Research Abstract |
平成25年度は、次の二項目を遂行した。 1.前年度までに取得していた中性子実験データの解析、論文執筆を含めた成果発表。 (1)金属強磁性体Fe16N2ナノ粒子による偏極中性子粉末回折から、3サイトのFe磁気モーメントサイズを決定した。Fe16N2薄膜で報告されていた巨大飽和磁化が、Fe16N2ナノ粒子では実現していないことを示した。得られた実験結果をバンド計算と比較し、窒素欠陥の可能性を指摘した。これらの結果を学術雑誌に投稿中である。(2)金属反強磁性体Mn3SiのXAFS分光データを解析した。異常に滑らかなXANES・EXAFSスペクトルが、MnサイトのFe置換により、通常のXANES・EXAFS振動に回復する現象を見出した。これまでの比熱・中性子非弾性散乱の結果と考え合わせ、Mn3Siにおける遍歴電子が鍵であると推測した。この結果を、LPBMS-2013国際会議(つくば市)でポスター発表した。(3)金属-絶縁体転移を示すCuIr2(S,Se)4のXAFS分光データを解析し、スピン一重項Irイオン対の形成/破壊がこの系の磁性と伝導を左右していることを見出した。この結果をLPBMS-2013国際会議(つくば市)で口頭発表した。現在、学術雑誌へ論文投稿中である。 2.単結晶モノクロメータ開発、特に結晶性の評価。 前年度までにホットプレス加工していたGe単結晶と大型育成したCu2MnAl単結晶の結晶性を、それぞれ京大原子炉実験所と米国オークリッジHFIR原子炉にて中性子回折でチェックした。(1)Ge単結晶には、想定通りのモザイク度が導入されていることを確認した。(2)熱処理していないにも関わらず、育成直後のCu2MnAlではMnとAlの原子秩序度が高いことを確認した。したがって、as-grown結晶でも高い中性子偏極率が期待できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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