2011 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウム3の界面で期待されるマヨラナ粒子の探索
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22340095
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥田 雄一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50135670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 竜司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (00323783)
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Keywords | 超流動3He / 表面束縛状態 / マヨラナ粒子 / 音響インピーダンス / NMR |
Research Abstract |
ナノテクノロジーによる精密スラブの加工をかなり検討したが、結局多数層を重ねることが不可であることが判明した。最大6層までのものが辛うじて製作することができた。一方、新しいポリイミドフィルムである宇部興産製のユーピレックス(7.5ミクロン)に張力をかけ、かつ2.5ミクロンのシリコンビーズをアルコールにより分散させて噴霧することで 2.5ミクロのきれいな間隙を作成することができた。ミクロトームにより断面を精密に切断することで美しい顕微鏡写真をとることができた。この方法であれば数百層の試料を作成することに目途がたった。 NMRの装置の立ち上げは、従来型のものでほぼ完成し、1.5Kでの3Heの信号を確認するところに至っている。一方SQUID素子も導入され、10kHzまでの帯域での高感度レスポンスを確認できている。 一時、冷凍機が低温リークを引き起こし、その修理に多大に時間がかかってしまったが、今年に入り修理が完了し、以前どおりの冷凍能力を発揮することが確認された。また、音響インピーダンス測定を再開し、以前の信号を再確認できるところまで来ている。現在、壁に垂直方向に200ガウス、1000ガウスの磁場をかけて、Zeeman分裂によるゼロエネルギーのギャップが見えるかどうか詳細に調べているところである。 IOPのJ.Phys.のEditorから超流動3He-BでのSurface Andreev Bound stateとマヨラナ粒子というタイトルでレビュー論文を依頼され、その原稿を仕上げたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
希釈冷凍機に漏れが発生し冷凍能力を一時失い、その修理に追われていた。漸く修理が完了し、磁場中の音響インピーダンスの測定が再開できるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
音響インピーダンスの磁場異方性の実験を加速させる。現在は順調に過去の実験データが再現されているので、磁場依存性を精密に測定していく。NMRの準備は順調に進んでいるので、NMRへの移行を速やかにできるように準備をする。SQUID-NMRの装置にはまだ把握できていないところがあるので、最低でも通常の交流帯磁率測定を同時に測定できるように準備を進める。
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[Journal Article] Surface Majorana Cone of the Superfluid 3He B Phase2011
Author(s)
S.Murakawa,Y.Wada,Y.Tamura,M.Wasai,M.Saitoh,Y.Aoki,R.Nomura,Y.Okuda,Y.Nagato,M.Yamamoto,S.Higashitani and K.Nagai
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Journal Title
J.Phys.Soc.Jpn.
Volume: 80
Pages: 013602
DOI
Peer Reviewed