2012 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウム3の界面で期待されるマヨラナ粒子の探索
Project/Area Number |
22340095
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥田 雄一 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (50135670)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 竜司 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (00323783)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 超流動ヘリウム3 / 表面束縛状態 / マヨラナ・フェルミオン / 音響インピーダンス |
Research Abstract |
超流動3HeはP波超流動であることが確立している貴重な異方的超流動である。そのB相のバルク状態では等方的にギャップが開いた超流体であるが、壁近傍ではユニークな準粒子状態がバルクのギャップ内に低エネルギー状態として存在する。それはAndreev bound state(表面束縛状態)と呼ばれ、超流動3He発見当初から理論的には研究が進められ、その存在が予言されていた。実験的には手つかずの状態だったところ、我々は分光学的な横波音響インピーダンスの手法により、その存在を確かめることに成功していた。本研究では、この手法を発展させ、壁表面を超流動4Heの薄膜で覆い、さらにその4He薄膜の厚みを変化させることによって、バルクからの3He準粒子の散乱条件を、diffusiveからspecularへ連続的に変化させることを巧みに利用し、表面束縛状態の詳細を分光学的に明らかにした。一方、最近物性理論において、topological superfluidという考え方が生まれ、バルク状態の秩序変数である超流動波動関数の非自明なtopology的な性質によって、表面に特別な量子状態が必然的に存在するという理論が発展した。この理論によれば、超流動3He-Bの表面束縛状態の準粒子は、Majorana・fermionの性質を持つことが導かれ、本研究での実験は、表面束縛状態の準粒子は、specularの極限でMajorana fermionになるという結果に導かれる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|