2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340096
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田仲 由喜夫 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40212039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏谷 聡 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術部門, 上級主任研究員 (40356770)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 近接効果 / 電子対 / 超伝導接合 / トンネル効果 |
Research Abstract |
奇周波数電子対の近接効果は、p波超伝導体と正常金属の接合系において顕著に表れる と考えられるため、Sr2RuO4(SRO)とAuの界面状態の制御を試みた。T字型の接合を作るために様々な工夫を行った。その結果より低温での測定をする必要があることが明確になった。理論研究では、SROのより現実的なトンネル効果の理論を構築するために、多バンド超伝導体・常伝導体接合のトンネル効果の計算を行った。従来型トンネル効果の標準的な理論はBlonder Tinkham Klapwijkの理論(1982)で、常伝導体・超伝導体接合のトンネル電流がアンドレーエフ反射の効果を取り入れて計算されてきた。その後この理論は田仲・柏谷によって異方的超伝導体に拡張され(1995)、銅酸化物超伝導体のトンネル効果の実験に現れる零電圧コンダクタンスピークの起源が説明された。しかし多バンド超伝導体を扱うBTKを拡張した理論は存在していなかった。 我々はタイトバインディングモデルを拡張することでこの問題を解決することを行った。まず1次元の単一バンドタイトバインディングモデルの初等的量子力学の計算から、透過率によるコンダクタンスをえる公式を求め、超伝導のギャップ関数の大きさはTransferに比べて十分に小さいということでエネルギースケールの分離を行った。その結果、従来型のBTK理論が再現された。また2次元系のモデルに拡張して、田仲・柏谷の1995年の理論が一般のバンド構造(単一バンド)の場合に拡張された。さらにこの成果を用いてSRO・Au接合に計算できるように拡張した。現在いくつかのパラメータに対して計算を行っているが、SROの3つのバンドがそれぞれ異なったアンドレーエフ束縛状態の分散関係を持つこと、そのために零電圧ピークを持つ場合持たない場合など極めて多様な微分コンダクタンスが現れることが明らかになった
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)