2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340101
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大道 英二 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00323634)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 電子スピン共鳴 / カンチレバー |
Research Abstract |
前年度に開発した光ファイバー光学系による高感度変位技術を用いて、カンチレバーによる電子スピン共鳴技術の開発を行った。まずは低温、強磁場下で動作するFabry-Perot干渉計を作製し、その感度評価を行った。波長可変レーザーをもちいることによりFabry-Perot干渉計の動作点を常に感度のよい位置に調整することで10 pmオーダーの高い変位検出が可能になった。冷却過程でカンチレバーの熱収縮に伴う光強度の減少が観測されたが、測定に用いるカンチレバーの最適化を行うことで解決した。 ESR測定では、カンチレバー上部からライトパイプにより導入した高周波電磁波を照射し、カンチレバーの下面には変位検出用のカンチレバーを対向させる。これまでは異方性のある試料しか測定できなかったが、本研究では磁場勾配を加えて試料の磁化を直接検出することにより、等方的な試料のESR測定を目指した。円筒状のフェライトビーズを用いることで光ファイバーと干渉することなく磁場勾配を発生することが可能になった。数値計算から見積もると、磁場勾配の大きさはおよそ100 T/mであった。測定試料にはESR標準試料であるDPPHラジカルを用いた。固有振動数の変化から見積もった試料の重量はおよそ1 μgであった。電磁波強度を変調し、同期する磁化成分をロックイン検出することで高い感度を実現した。その結果、g=2.003のDPPH試料に起因するESR信号を80-150 GHzの周波数領域において明瞭に観測することに成功した。通常の信号形状とは異なり、200 G程度に広い線幅の信号が観測されたが、これは試料中の磁場勾配を反映したものであることが解析から分かった。スピン検出感度を見積もると10^8 spins/Gとなり、これまでのピエゾ抵抗型カンチレバーの感度を上回る結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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