2012 Fiscal Year Annual Research Report
非クラマース結晶場基底状態をもつ重い電子化合物の高磁場NMRによる研究
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22340102
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤 秀樹 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60295467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小手川 恒 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30372684)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 重い電子 / 超伝導 / 核磁気共鳴 / 結晶場 / 書くスピン格子緩和時間 / ナイトシフト |
Research Abstract |
本研究では、核磁気共鳴に(NMR)より、f2 電子状態とf1 電子状態に起因する重い電子状態の違いを明らかにし、 角度分解NMR 実験により、結晶場縮重度と四極子(高次多極子)自由度と重い電子状態の関係を明らかにすることである。本年度は以下の結果を得た。 f2に対する比較物質としてf1系重い電子化合物CeCu6の強磁場でのNMRシフト、緩和率、磁化率測定した。磁場印加によりCe 4f1の近藤1重項状態が破壊される近藤共鳴モデルで説明できることを示し、重い電子状態が近藤一重項形成によるものであることを微視的に明らかにした。UBe13においてBeサイトIIに磁場を印加した場合のナイトシフトおよびNMR緩和率の磁場依存性を17テスラまで測定した。UBe13では近藤温度が6 K程度で約1000mJ/molK2に相当するナイトシフトや緩和率の増大が観測される。17テスラの磁場では近藤状態が破壊されるため、ナイトシフトや緩和率の絶対値が強く抑制されると考えられたが、その抑制は予想の10分の1程度であった。このことは、U系の電子状態がf2であり、重い電子形成の起源が通常の磁気的近藤効果ではなく、Coxらによって予測されている四極子近藤効果であるか、もしくは、三宅らによって予測されているf2系に特有の結晶場一重項と近藤一重項の競合による効果であると考えられる。超伝導状態では、ナイトシフトは超伝導転移温度Tc以下T*まではすべての磁場方向でナイトシフトが変化しないことを明らかとなり、奇パリティ超伝導状態であることがわかった。一方T*で表面インピーダンス測定やナイトシフトに異常が現れることから、T*以下で磁束格子のピニングもしくは超伝導電子密度の変化が起きている可能性が高い。以上より、重い電子形成の起源はf電子の状態がf1状態かf2状態かに強く依存することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(31 results)