2012 Fiscal Year Annual Research Report
フェルミ準位近傍の準粒子に働く多体相互作用の定量評価
Project/Area Number |
22340103
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 賢也 広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (10284225)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 強相関電子系 / 金属物性 / フェルミオロジー / 準粒子 / 角度分解光電子分光 |
Research Abstract |
金属・半金属の低温物性はフェルミ準位近傍の準粒子のふるまいと密接に関わっている。本研究の目的は、放射光を用いた高分解能角度分解光電子分光実験(ARPES)により強相関物質のフェルミ準位近傍の準粒子に働く多体相互作用を定量的に明らかにすることである。(1)~(4)に本年度の研究実施計画と対応させて研究成果の概容を記述する。 (1) パラジウム単結晶の∑1バンドの自己エネルギー解析を行い、電子ー格子、電子ー電子、電子ーパラマグノン相互作用の結合定数を初めて決定し、論文発表した(Phys. Rev. B 87, 035140 (2013). Editors' suggestionsに選定)。 (2) dhcp構造を持つLaのバンド計算を行い、フェルミ面やバンド分散がARPES実験と良く対応することを見出した。La4d-4f共鳴領域でARPESスペクトル強度が増強されるのは、4f軌道が混成したLa5dバンドであることを明らかにした。 (3) ネブラスカ大学リンカン校との国際共同研究で、モリブデン(112)単結晶表面上に作製した金原子ナノワイヤの表面準位について自己エネルギー解析を行った。その結果、低エネルギーフォノン散乱により電子ー格子結合定数が増強されていることを明らかにした(Phys. Rev. 86, 205432 (2012))。 (4) 国内外の共同研究者と放射光励起の高分解能ARPES実験を行い、ルテニウム酸化物超伝導体における電子-電子相互作用を定量評価し(Phys. Rev. Lett. 107, 193002 (2012))、新しいトポロジカル絶縁体の電子構造を解明し(Phys. Rev. Lett. 108, 206803 (2012))、有機金属界面電子構造を解明した(Nature Communications 4, 1514 (2013))。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(48 results)