2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340104
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
多々良 源 独立行政法人理化学研究所, 創発スピン物性理論研究チーム, チームリーダー (10271529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (10234709)
柴田 絢也 東洋大学, 理工学部, 准教授 (20391972)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | スピントロニクス |
Research Abstract |
界面で発生する強いRashba型スピン軌道相互作用が、磁性と電気伝導特性に与える効果も解析し、磁化のダイナミクスとRashba型スピン軌道相互作用が組みあわさることで、起電力が発生するという新しい可能性を見出した。この起電力は、磁化の運動から生じるという点では、電磁気におけるFaraday則と似ているが、物質中の量子効果によって生みだされている新しい効果で、電磁気的効果と比べ物質中では圧倒的に強い効果である。この起電力のメカニズムはスピンのもつ量子的なBerry位相を拡張した概念で理解することができる。定量的見積もりによると、Rashba型が強い界面では、一様磁化の運動が1mmの大きさの薄膜の場合で約1Vという大きな起電力を生みだすことが予言された。Rashba型相互作用が磁壁移動において果たす役割は非常に重要であることが我々の理論及び英国側のメンバーの過去の実験などで明らかになっており、Rashba型の磁壁移動における効果を検証する上でもこの新しい起電力は役立つものと期待される。 また、幾何学的な磁気構造に対して円偏光の光を照射するだけでスピン軌道相互作用なしに逆Faraday 効果が生じることを理論解析により示した。これを用いると磁気渦やskyrmion などの磁気構造を光で制御することができる。この幾何学的逆ファラデー効果を磁気渦の反転に用いた場合の特性を数値シミュレーションにより解析した結果、実現可能な光の強度内で磁気渦の反転を150ps という短時間でおこなうことができることがわかった。これは電流による反転と比べると100 倍の速さである。我々の見出した幾何学的Faraday 効果は光誘起磁化反転の新しいメカニズムで、産業化する上でコスト的な問題のある重い元素を用いることなく磁化構造を高速で反転する新たな可能性を示したものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(21 results)