2012 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧下で単体が示す特異な構造相転移と超伝導の理論的解明
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22340106
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
鈴木 直 関西大学, システム理工学部, 教授 (40029559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 竜樹 金沢大学, 数物科学系, 教授 (30272941)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高圧極限物性 / 結晶構造探索 / 進化アルゴリズム / 遺伝的アルゴリズム / 第一原理分子動力学 / 超伝導 / 貴金属 / アルカリ土類金属 |
Research Abstract |
【結晶構造予測】静的状態では不安定となるCaの単純立方相が、有限温度下において熱力学的に安定化することを第一原理分子動力学シミュレーションによって明らかにした。金について、およそ400万気圧まで圧縮すると積層順序がABCACBという特異な積層構造に転移する可能性を初めて示した。昨年度に開発した遺伝的アルゴリズムコードをイットリウム高圧相探索に適用し、V相(45-110万気圧)が三斜晶または単斜晶の歪んだfcc構造に、VI相(110万気圧以上)が空間群P3112の3回螺旋構造になることを理論的に予測した。 【超伝導】金単体を超伝導化させるためには0.04 μK以下まで冷却する必要があるが、12.5 at%だけインジウムと置換すれば系の電子-格子相互作用が急激に強まって0.1 Kまで超伝導転移温度が上昇するという結果を得た。計算で得られたイットリウム高圧相の超伝導転移温度はV相で14 K、VI相で18 Kとなり、実験データと良い一致を示した。 【固体酸素の特異な構造相転移の解明に向けた取組み】分子間のファン-デル-ワールス (vdW)力をより第一原理的に取り入れるため、vdW密度汎関数(vdW-DF)法を実装した第一原理電子状態計算コードの開発を行った。具体的には圧力テンソル計算などを含む実装が計画され、50%程度が実現している。磁性体への適用を念頭にスピン密度を仮定したときのvdW-DFについて新しく検討をおこない、計算コードへの開発実装を進めた。この過程において、気体中の酸素分子間の相互作用は、主に、超交換相互作用に由来する磁気的相互作用エネルギーと分散力によるエネルギーがありこれらのエネルギーが非常に小さくかつ拮抗しており、高圧下では、これらのエネルギーが分子内の磁性非磁性状態間のエネルギーや分子間を電子が飛び移る運動エネルギーとが絡みあっているとの考察を得た。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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