2012 Fiscal Year Annual Research Report
光格子における新しい量子相の大規模数値計算による探索
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22340111
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川島 直輝 東京大学, 物性研究所, 教授 (30242093)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 計算物理学 / 統計力学 / ボーズ凝縮 / 冷却原子 / 量子モンテカルロ / 超流動固体 |
Research Abstract |
現実的な連続空間における超流動固体の存在については,いまだに確定的な結論がでていないが,周期的なポテンシャルのもとでの超流動固体状態については,その存在が確立されており,そのような場合のボーズガス系の研究は近年さかんに行われている.その理由は周期的ポテンシャルのもとでの超流動固体状態が連続空間系での超流動固体に関して,そのあるべき性質への予見を与えるだけでなく,光格子系や磁性体などにおいて,本質的に同等の現象が実現されている,あるいは実現されると期待されるからである.われわれは,周期ポテンシャル,とくに格子上で定義されたボーズ粒子系に関して,量子モンテカルロ法を用いたコンピュータシミュレーションによって,種々の量子相や量子相転移の様相を明らかにした.まず,双極子相互作用する2次元の格子系についてハードコア条件下,かつ双極子が2次元面に平行な場合について計算を行い,そのような系がストライプ的な空間構造を示すことを示した.また,ストライプ相と超流動相の間に圧縮率の非常に小さな相を発見した.第2に,3次元のソフトコア条件下では,従来のコンピュータシミュレーションでは見出されていなかった充填率がちょうど1/2のときの超流動固体相が存在することを発見した.このことは,超流動固体が固体形成成分と,超流動形成成分の2成分からなるという単純な理解では十分に把握されないことを示している.われわれはさらにこの計算を2次元の系にも拡張し,より量子揺らぎの効果が大きく超流動固体相の存在が観測しにくい2次元的な場合についても,やはり整合的充填率での超流動固体が存在しうることを立証した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)