2010 Fiscal Year Annual Research Report
KRb原子間相互作用の制御を用いた極低温量子ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
22340116
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
渡辺 信一 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (60210902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 哲夫 電気通信大学, 先端領域教育研究センター, 准教授 (70420239)
斎藤 弘樹 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (60334497)
森下 亨 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (20313405)
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Keywords | 量子エレクトロニクス / 極低温量子ダイナミクス / ボース・アインシュタイン凝縮 / アト秒物理 |
Research Abstract |
本課題の眼目は、ドーナツ型トラップ中の希薄混合ガスの2成分間の相互作用をさまざまに変化させた場合の系のダイナミクスを理論と実験の両面から総合的に研究することである。そこで、まず2成分BECのダイナミクスを記述する非線形シュレディンガー方程式の1次元及び3次元空間での数値シミュレーションを行い、この系のダイナミクスの理論的予測を行った。その結果、系に任意の角運動量を与えた後に相互作用を変化させると、トラップ系の周期性に起因して、系全体に与えた全角運動量が保存されるため、各成分の角運動量が非自明な変化をすることが初めて見出された。 ここで、ドーナツ型トラップはドーナツ環の直径と太さの比を大きく取り、周期的に閉じた擬1次元系を仮定している。そのため、実験では特殊なレンズや2次元操作型の音響光学偏向素子(2D-AOD)を用いてこの系を実現する。実験装置の大きさの制約から長作動距離でかつ高開口数の非球面レンズを用いる必要があり、分解能評価を行いながら高分解能で収差の少ないレンズを選定した。また、2D-AODの1次回折光によって環を描画する際に強度安定化する技術の構築も行った。磁気光学トラップされた原子の準備も終え、光双極子トラップへ捕獲する段階である。今後、捕獲後に蒸発冷却を行い、BEC生成の後、ドーナツ型光トラップへ移行させる。また,関連する話題として,高強度レーザー場中の非線形量子ダイナミクスの理論および実験的研究を行い,得られた結果を学術論文として発表した。
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