2011 Fiscal Year Annual Research Report
KRb原子間相互作用の制御を用いた極低温量子ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
22340116
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
渡辺 信一 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (60210902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 哲夫 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (70420239)
斎藤 弘樹 電気通信大学, 大学院・情報工学研究科, 准教授 (60334497)
森下 亨 電気通信大学, 大学院・情報工学研究科, 助教 (20313405)
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Keywords | 量子エレクトロニクス / 極低温量子ダイナミクス / ボース・アインシュタイン凝縮 / アト秒物理 |
Research Abstract |
昨年度までに均一なドーナッツ型ポテンシャルを形成するために、2軸のAcousto-Optic Deflector(2D-AOD)の1次回折光によって環を描画する際に強度安定化する技術構築を行っている。本研究ではこのポテンシャル内にBECをトラップし、さらに任意の角運動量を与える必要がある。そこで、2D-AODにDirect Digital Synthesizer(DDS)からの信号を入力することで、入射レーザー光の回折光でリングを描く方法を取り入れる。 本年度は、このDDSを制御するField Programmable Logic Device(FPGA)に連続的な周波数更新プログラムを作製することで、周波数変調波を生成することのできるシステムの開発と評価を行った。このとき回折光の位置は時間的に変化しているが、FPGAの動作が高速であり、原子のトラップ周波数に比べ十分速くリングを描くことができるため、原子はリング光を時間平均ポテンシャルとしてリング型に感じることができる。本システムでは変調における信号波の形はFPGA上のRAMから読みだしているので、RAMを書きかえることで様々な被変調波(=回折光の形)を得ることを可能にし、ドーナッツ型トラップ中のBECに任意の角運動量を与えられる。原子の準備は磁気光学トラップを行って光双極子トラップへ捕獲し、蒸発冷却過程の最適化を行っている段階である。また、2成分BECにおける回転対称な系での界面での不安定性や非線形なダイナミクスについての理論的研究を行った。さらに、関連する話題として、高強度レーザー場中の非線形量子ダイナミクスの理論および実験的研究を行い、得られた結果を学術論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
回転対称な系において2成分BEC問の相互作用を制御しながら、その非線形ダイナミクスを研究するにあたり、この系は対称性のよい系でありながら非自明な部分が多い。そこで、種々の形状や条件を仮定しながら理論的予測を行い、その指針を元に並行して実験準備を進めており、必要となる要素技術を構築した段階である。その点で、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
理論の面では、実験の進展に応じたシミュレーションを中心として、様々なシミュレーションを行う。特に実験で、ドーナッツ型トラップから派生した様々な形状めトラップを構築可能なので、例えば、多重連結型のトラップを考え新しいトポロジカルダイナミクスを見出す。また、K-Rbの2成分系を想定して量子流体現象の研究を行い、新しいタイプの超流体不安定性を理論的に探索する。実験の面では、研究室の移動に伴って実験装置を全て再構築する時間を要するため、遅れが予測されるが、装置再構築の際に、これまでに開発した要素技術を装置本体に組み込み、ドーナッツ型トラップ中での2成分BECの生成と相互作用制御まで推進する計画である。
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[Journal Article] Enhanced Nonlinear Double Excitation of He in Intense Extreme Ultraviolet Laser Fields2011
Author(s)
A.Hishikawa, M.Fushitani, Y.Hikosaka, A.Matsuda, C.-N.Liu, T.Morishita, E.Shigemasa, M.Nagasono, K.Tono, T.Togashi, H.Ohashi, H.Kimura, Y.Senba, M.Yabashi, T.Ishikawa
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Journal Title
Physical Review Letter
Volume: 107
Pages: 243003(1-5)
DOI
Peer Reviewed
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