2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22340118
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
冨田 誠 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (70197929)
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Keywords | 画像 / 遅い光 / 遅い画像 / 速い光 / 共振器 / 回折 |
Research Abstract |
(1)画像共振器の時間特性の解析 昨年度に実施した定常状態での画像の透過特性についての研究成果を基盤にし、本年度は画像の伝播速度制御にかかわる時間分解測定を重点的に推進した。 画像の伝播速度を決めるFabry-Perot型共振器の分散特性について、第一面鏡の反射率、第二面鏡の反射率、共振器長などを制御可能なパラメータとして、分散特性の理論解析を進めた。特に、弱結合条件下、すなわち、共振器と外部光の結合が共振器の損失よりも弱い場合には異常分散が現れ「速い画像」を実現することがでること、一方、強結合条件下、すなわち、結合の強さが球内部での光の損失よりも強い場合には正常分散が現れ「遅い画像」が実現できることを示し、結合パラメータと損失パラメータを系統的に変化させ、詳細な解析を行った。 (2)画像共振器に現れる「速い画像」と「遅い画像」(実験) 上記(1)の解析結果にもとづいて、画像の伝播時間を調べる実験は、科研費で購入したLN(=LiNbO3)変調器とパルス発生器で時間的に切り出すことで光パルスを発生させ、この光ビームに画像をエンコードすることで実験を進めた。実験と理論との詳細な比較を行うために、共振器系を画像光が伝播するのに要する時間遅延を現有のストリークカメラをもちいて測定した。そして、画像共振器によって「速い画像」、「遅い画像」が実現できることを初めて実証し、構造分散が分散制御、すなわち光の伝播時間の制御に有用であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度において(1)画像共振器の2次元画像透過特性、ならびに(2)共振器の画像透過の実験、を進めた。この成果に基づいて平成23年度は(3)時間特性の解析、ならびに(2)画像共振器に現れる「速い画像」と「遅い画像」の実証に成功している。これらの研究を踏まえて、平成24年度は結合共振器に関わる実験を進めるが、既に、その予備実験においても良好な結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
画像共振器に関わる解析、実験はおおもね順調に進展している。これらを踏まえて、並行して新たに開始した「光学プリカーサーに関わる研究」との融合を図りたい。これによって、時間エッジフィルターなど画像共振器の応用面の展開も進めたい。
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Research Products
(8 results)