2012 Fiscal Year Annual Research Report
低温蒸着法による単純分子ガラスの創成とその熱力学・構造学的研究
Project/Area Number |
22340119
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山室 修 東京大学, 物性研究所, 准教授 (20200777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古府 麻衣子 東京大学, 物性研究所, 助教 (70549568)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 化学物理 / 物性実験 / X線回折 / 熱容量 / 蒸着法 / ガラス転移 / 構造 / アニール効果 |
Research Abstract |
平成23年度に完成した蒸着試料用のX線回折装置を用いて、水(H2O)、メタノール(CH3OH)、ペンテン(CH3CH2CH2CH2=CH2)の蒸着ガラスのX線回折実験を行った。蒸着温度はいずれも3K付近で、約0.3gの試料を4h程度かけて蒸着した。最低温で測定した後に、それぞれの試料のガラス転移温度Tg(水:130K、メタノール:60K、ペンテン:80K)より5-10K低い温度でアニールをしながら測定した。第一回折ピークに注目すると、アニーリングが進むにつれて、水では低Q側にシフト、ペンテンでは高Q側にシフト、メタノールではほぼ変化せずという結果が得られた(Qは散乱ベクトル)。これは、アニールに伴い、水では水素結合形成が起こるため体積膨張、ペンテンではファンデルワールスコンタクトが良くなるため体積収縮することに起因していると考えられる(メタノールはその中間)。このような蒸着ガラスのアニール効果が構造の側面から明らかにされたのは、本研究が初めてである。ペンテンについては、液体を急冷する方法でもガラスを作ることができるので、液体急冷ガラスと蒸着ガラスの比較を行った。その結果、どちらのガラスでもほぼ同様の回折パターンおよびその時間変化(急冷ガラスでは僅かながら)が得られた。これらの構造変化をより詳細に調べるため、回折データに吸収などの様々な補正を施し、フーリエ変換によって2体分布関数g(r)を計算するプログラムの開発を、本X線回折装置のメーカーであるRigakuと共同で行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)